花巻東・佐々木麟太郎が走塁に込めた新主将としての思い 「いかなる状況でも攻める」

[ 2022年8月29日 17:19 ]

秋季高校野球岩手県大会花巻地区予選1回戦   花巻東11―1遠野 ( 2022年8月29日    花巻球場 )

<花巻東・遠野>3回、適時打を放った花巻東・佐々木麟(左)は相手の隙をついて二塁を狙うもタッチされアウトかと思われたが、相手のタッチに負けない力強い走塁でグラブを押しのけボールをはじき出す(撮影・尾崎 有希)
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 花巻東が11―1で遠野に6回コールド勝ちし、2回戦に進出。新チームから主将に就任した佐々木麟太郎内野手(2年)は「3番・一塁」で出場し、3打数1安打2打点で2四球だった。旧チームでも主力だった熊谷陸内野手(2年)は「1番・遊撃」、千葉柚樹内野手(2年)は「4番・三塁」でフル出場した。

 そろり、そろり。3回に右前適時打を放ち、一塁を回った佐々木麟はなおも次の塁を狙った。ボールを持った遊撃手が二塁を離れると1メートル85の巨体は駆けた。慌てて二塁に戻った遊撃手がタッチするも、スライディングでボールをはじき出してセーフに。27メートル431の塁間で見せた激走に思いを込めた。

 「いかなる状況でも“攻めることを忘れてほしくない”と覚悟を決めて走りました」

 3回2死二塁から右前に直球をはじき返して7点目となる適時打。試合の大局を決める一打を放ち、隙のない走塁でチームにメッセージを送った。1安打2打点2四球で大勝に貢献するも「課題が出た中でどう磨きをかけていくかが大事」と表情を引き締めた。

 日本一を狙った今夏は岩手大会準決勝で敗退。出場を逃した甲子園では仙台育英(宮城)が東北勢初の全国制覇を成し遂げ、深紅の大優勝旗はついに福島県にある「白河の関跡」を越えた。佐々木麟は「門を開けてくださった。東北として波に乗っていければ良いと思っています」と刺激を受けた。

 今夏の準決勝では左手ひとさし指を骨折。約2週間離脱するも、新チームの練習試合では9本塁打と量産。高校通算本塁打を83まで伸ばし、浦和学院・鈴木健(元西武など)、大阪桐蔭・中村剛也(現西武)に並んだ。

 「自分の結果よりもチームが勝つために命を捧げたいと思います」と力強く言った新主将。父・佐々木洋監督との「親子鷹」で「岩手から日本一」の夢を追う。(柳内 遼平)

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