ヤクルト・村上 止まらない50号王手&14打席連続出塁「よく考えて打席に入っている」

[ 2022年8月29日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―4DeNA ( 2022年8月28日    横浜 )

<D・ヤ>9回、安打を放つ村上(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が28日、3試合連発となる決勝の49号ソロを放ち、2位DeNA相手の同一カード3連勝に導いた。同点に追いつかれた直後の7回、派手に右中間席へ運んだ。この3連戦は11打数9安打4本塁打9打点の打率・818。本塁打はシーズン60発ペースとなり、日本人では02年松井秀喜(巨人=50本)以来20年ぶりの50発大台に王手。2位とのゲーム差を7に広げ、14打席連続出塁中で、こちらはプロ野球記録にあと「1」と迫った。

 55番の背中を丸めて打球を見守った。3点差を追いつかれた直後の7回。村上がフルカウントからエスコバーの154キロツーシームを完璧に捉えた。「自分でもびっくりして、あ、ホームランだという感じで。恥ずかしいですね。しゃがんでました」という「確信しゃがみ」から両手を叩いて駆け出した。右中間席中段に届く決勝の49号ソロ。打ってほしい場面で、また、また、また打ってみせた。

 3打席連続四球で迎えた4打席目だった。助っ人左腕とは過去32打席でわずか3安打の打率・103。長打は一本もない天敵だった。「力負けしないように」と振り切った。02年の松井秀喜以来となる日本選手のシーズン50本塁打に王手をかける一発。同じ背番号55をつけ、本塁打を求められる宿命の中、元祖55番に肩を並べるところまできた。

 村上は「世界的に活躍した方と同じ背番号でプレーできるのはうれしい」と素直に喜んだ。高校通算52本塁打を誇り、17年秋にヤクルトからドラフト1位指名された時、村上は「いずれは自分の背番号と言われるようにしたい。夢を与える選手になりたい」と宣言した。その目標にまた近づこうとしている。

 9回も中前打を放ち、14打席連続出塁。13年の広瀬純(広島)のプロ野球記録「15」にもあと1と迫った。連続打数安打も9で、こちらは91年レイノルズ(大洋)と03年高橋由伸(巨人)のプロ野球記録「11」にあと2。本塁打はバレンティン(ヤクルト)のシーズン日本記録に並ぶ60発ペースに乗った。

 22歳シーズンで50発に達すれば、王貞治(巨人)の24歳シーズンを上回る最年少での大台到達となる。「最終的にどうなっているかは自分でも楽しみ」と記録破りのシーズンに自ら胸を躍らせた。

 高津監督は「よく考えて打席に入っている。四球もそうだし、コンパクトなスイング。もちろん強いスイングも」と勝負を避けられながらも自分の打撃を崩さない若き主砲を称えた。3連勝で2位DeNAを7ゲーム差に突き放し、リーグ連覇に大きく前進した。個人の偉業より、村上は「優勝をみんなで喜びたい」と言った。その純粋な思いが大記録の原動力だ。30日からは京セラドームで松井秀喜を育んだ巨人との2連戦。迫る多くの記録を一気に突破しても不思議ではない。(君島 圭介)

 《球団新14打席連続出塁》村上の14打席連続出塁は、チームでは78年マニエルの10打席を抜く球団新。9打数連続安打は前記マニエルの10打数(10打席)連続に次ぐ球団2位の記録になった。

 《31日にもマジック再々点灯「19」》早ければ31日にもリーグ連覇へのマジックナンバーが再々点灯する。条件はヤクルトが30日から巨人に2連勝。DeNAが30日から中日に2連敗すると、ヤクルトに「M19」が出る。

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