「大智は人一倍勝つことに飢えていた」 恩師が振り返る阪神・森木のずば抜けた才能

[ 2022年8月29日 07:15 ]

セ・リーグ   阪神1―4中日 ( 2022年8月28日    バンテリンD )

<2021年プロ野球ドラフト会議>阪神1位指名され色紙を手に浜口佳久監督(左)と記念撮影する森木大智(高知)
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 阪神・森木大智投手(19)が28日の中日戦でプロ初登板初先発を果たした。ドラフト制以降の球団高卒新人では13年藤浪以来、9年ぶり5人目。打線の援護に恵まれずに6回4安打3失点で初黒星となったが、若き右腕の堂々たる投球が、虎の未来を照らす何よりの光明となった。

 恩師である、高知・浜口佳久監督が本紙にメッセージを寄せた。

 大智、プロ初登板、おめでとう。

 2軍で頑張ってケガなく来ていたので、どこかのタイミングがあれば1軍で見てみたいなというのはずっと思っていました。1軍での登板が決まってから「いつも通り準備して頑張ります」と電話で連絡をもらいました。

 中学入学から6年間の指導で印象に残っているのは、プレーのことよりもケガをした時の振る舞いです。中学の時は腰、高校の時は左足首の骨挫傷。それでも自分がつらい時、しんどい時こそ、一生懸命に頑張っていた姿を覚えています。試合の中での活躍はもちろんですが、中学、高校の時はキャプテンじゃないのに、キャンプテンみたいにチームを引っ張って大声を出してくれていました。投げ終わりでベンチで休めばいいのに、試合中にチームメートに精力的にアドバイスをしたり…その当時から人一倍勝つことに飢えていたのだと思います。

 プロ入り後も試行錯誤が続いているのは感じていました。2軍戦では毎試合、投球フォームも微調整していました。ある時「腕の高さも変わっているね」と言うと、「今の腕の振りが一番自分に合っています」と言っていました。基本的に自分の中で“いい感覚”を知っている子です。

 大智は今まで見てきた選手の中でも、ずば抜けてトップの逸材。今後、出会えるか…というぐらいです。ただ少し不器用なところがあったり、幼いところもたくさん見てきたので、プロの世界で通用するか、すごく不安でした。目標の高卒1年目で1勝はお預けとなりましたが、ホッとしています。

 1が全ての始まりなので、まずは1勝を挙げて、そして数多く勝てるように、チームに数多く貢献できるように、頑張ってほしいです。故障せず、これからも大智らしい投球をしてください。応援しています。 (高知高校野球部監督)

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2022年8月29日のニュース