野球一家の夢かなえた社の主将・後藤剣士朗君 成長した末っ子は「充実した甲子園でした」

[ 2022年8月15日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権第9日・2回戦   社5―7二松学舎大付 ( 2022年8月14日    甲子園 )

左から兄・龍太朗さん、社・後藤剣士朗、姉・咲良さん(家族提供)
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 【いっちーの届け夏エール】社の主将・後藤剣士朗君は、野球一家の夢をかなえました。

 父・光貴さんは元プロ野球選手で、今は西武スカウト。そして兄・龍太朗さんは18年春夏連覇の大阪桐蔭最強世代。姉の咲良(さくら)さんも鳴尾で野球部マネジャーを務めました。物心つく前から手にはボール。「もっと、こうちゃう?」。家族が集えば、野球談議に花が咲きます。

 泣き虫な末っ子でしたが、社では立派な主将。「言わないといけないことを言うのがつらかったけど、家族には言わず自分で解決しました」とたくましくなりました。「すごい存在だった」という兄も、大阪桐蔭では出場機会に恵まれず。一家の“聖地で活躍”の夢を託され、躍動しました。兵庫大会は7試合で1安打でしたが、「甲子園では叩く意識で」という兄の助言もあり、聖地で戦った2試合では4安打。龍太朗さんも「めっちゃうれしい!もう超えられました!」と大喜びでした。

 一家が待望した大阪桐蔭との対決は実現しませんでしたが、試合後、涙を流す仲間を支えて「充実した甲子園でした」と最後まで『主将』を全うした末っ子の成長に、母・英美さんも「あんなに小さかったのに大きくなって…。楽しませてもらいました」と感慨深げ。22年夏は、後藤家の大切な宝物になりました。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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