阪神・岩崎 あぁ~悪夢の“暴投” 9回スクイズ外しも…6連敗4位転落 矢野監督「失策なんとかせな」

[ 2022年8月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―5中日 ( 2022年8月14日    京セラD )

<神・中>9回1死一、三塁、代打・木下のスクイズを外したものの、投球が大きくそれて勝ち越し点を許した岩崎(手前)(撮影・成瀬 徹)
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 阪神が14日の中日戦に敗れ、今季3度目の6連敗を喫した。同点の9回、岩崎優投手(31)のスクイズを外したとみられる投球が大きくそれ、決勝点を献上した。守護神は、6日の広島戦に続く登板2戦連続の救援失敗で5敗目。今季最多タイの1試合3失策。西武と並んで両リーグ最多となった71失策の拙守も響いた。7月20日以来の借金3で、4位に転落した。

 阪神が泥沼から抜け出せない。守護神の岩崎も、深みにはまったままだ。同点の9回に登板し、1死一、三塁のピンチを招いた。代打・木下の1ボール、2ストライクで、相手がスリーバントスクイズを仕かけてきた。

 打者の動きを見てとっさにスクイズを見破ったか、左腕は外したような投球をした。ここまではファインプレーだ。しかし、投げたボールは、俊敏な梅野をもってしても届かず、ダイレクトでバックネットに当たった。スタートをしていた三走の三好は悠々生還し、一塁走者も二塁へ到達。記録は重盗ながら、“大暴投”のような最悪の形で決勝点を献上し、3万人超えの京セラドームは深いため息に包まれた。今季3度目の6連敗を喫した。

 「(外したかどうか)ちょっと俺には分からんなあ。その可能性はあると思うけど」

 矢野監督は、そう振り返った。左腕は、3点リードを守れずに逆転負けを喫した6日の広島戦以来7試合ぶりの登板で、再び敗戦投手になった。25セーブは立派な数字ながら、5つの負けが重くのしかかる。指揮官は、今後の起用方針について「終わったばっかりで、決められへん」と明言を避けた。

 最後の失点の印象が強いために、岩崎に負のスポットライトが当たるが、敗因はそれまでの守りにある。3回、先制を許してなおも1死一塁で、ガンケルの一塁けん制をロドリゲスが捕れず(記録は投手の失策)ピンチを拡大。阿部の二遊間の当たりを、二塁糸原がはじき(記録は中前打)、2点目を失った。5回の2失点は、遊撃山本の失策がきっかけ。今季最多タイの1試合3失策。西武と並んで両リーグ最多タイの71失策になった。

 猛虎と対照的に、中日は一塁ビシエドが9回に好守を見せ、ピンチの芽をつみとった。矢野監督は「向こうのビシエドの守備とか、球際とか、そういう課題もある」と守備の差を嘆いた。就任2年目、20年の終盤。そのシーズンに優勝した巨人との差について、「球際がうちの課題」と語っていた。監督ラストシーズンの残り34試合で、懸案事項がネックになってきた。9試合連続の失策に「なんとかせなアカン」と、現実を受け止めた。

 借金3で4位転落。守りを立て直すことが不可欠だ。(倉世古 洋平)

 《暴投は記録されず》中日が決勝点を挙げたプレーで、阪神・岩崎には暴投が記録されていない。これは、公認野球規則9・07(a)で「走者が投手の投球に先立って、次塁に向かってスタートを起こしていた時は、たとえその投球が暴投または捕逸となっても、暴投または捕逸と記録しないで、その走者には盗塁を記録する」とあるため。

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