25年前とダブるDeNA“真夏の快進撃” 首位ヤクルトと17・5差→6差 1997、98年の結末は…

[ 2022年8月15日 18:05 ]

1997年8月22日の巨人戦で、赤堀を抜く月間11Sを挙げた横浜・佐々木は谷繁と握手
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 「横浜DeNAベイスターズ」が快進撃を続けている。昨季は優勝チームのヤクルトから20ゲーム差の最下位。だが、8月15日現在、首位ヤクルトと7ゲーム差の単独2位につけている。昨季6勝17敗2分けだったヤクルトとの直接対決でもここまで7勝9敗とほぼ互角の成績だ。

 14日に神宮球場で行われた直接対決では1―4と惜敗。6差まで詰めたゲーム差は再び7となった。だが、単独5位だった7月4日には首位ヤクルトから17・5ゲームもの大差をつけられていた。真夏の快進撃が球界の大きな話題になるのも当然と言える。

 まだチーム名が「横浜ベイスターズ」だった1998年。権藤博監督のもとセ・リーグを制し、そのまま日本一に輝いた。ともに38年ぶりという快挙だった。現在チームを率いる三浦大輔監督(48)はローテーションの一角を担い、キャリアハイの12勝をマークしている。

 チーム名が「大洋ホエールズ」「横浜大洋ホエールズ」だったころは多くのスター選手やタイトルホルダーを輩出しながらチームの順位は下位に沈むことが多く「万年Bクラス」「貯金シリーズ」「横浜大洋銀行」などと昭和のファンに揶揄(やゆ)された。

 だが、「横浜ベイスターズ」となっていた1997年、前年から就任した大矢明彦監督のもとで選手が育ち、大きな変化を見せ始める。開幕20戦では6勝14敗と開幕ダッシュに失敗。6月28日の阪神戦(横浜)では6―12の大敗を喫して借金9となり、野村克也監督率いる首位ヤクルトから14ゲーム差の最下位に低迷した。この流れのまま終わっていれば、失礼ながら例年通り…の展開。だが、翌日の6月29日から5連勝するなど驚異的なV字回復が始まった。7月30日には借金完済。2位に浮上した8月1日にはまだヤクルトと10ゲーム差がついていたが、8月22日には最大14差から2・5差にまで最接近した。8月は26試合で20勝6敗。月間勝率・769というハイペースだった。

 だが、快進撃の反動もあって疲れが見え始めていた9月2日、首位ヤクルトとの直接対決。本拠ハマスタで現在楽天の指揮を執る石井一久投手にノーヒットノーランを喫した。これで4・5ゲーム差。ここでほぼ力尽き、最終的には11・5ゲーム差の2位でフィニッシュした。

 それでも、この年の快進撃が翌年の優勝、そして日本一につながった。日本中を沸かせた、あの1998年。開幕20戦は10勝10敗で3位とスロースタートだったが、6月16日から8連勝して流れが変わった。6月20日広島戦(函館)に勝利して初奪首に成功。7月8日から1分けを挟んで10連勝を飾るなど、多少の波はありながらも長いペナントレースを走り抜いて38年ぶりの栄光をつかみ、西武との日本シリーズも制した。

 現在、「横浜DeNAベイスターズ」は「横浜ベイスターズ」だった98年以来24年ぶりの優勝を目指して戦っている。16日からは最大借金7から完済に王手をかけ、DeNAに2ゲーム差と迫ってきた3位・巨人との直接対決3連戦を控える。今季優勝できれば最高だが、仮に逃しても来季は…。大洋、横浜、DeNA。球団名が変わっても、長年に渡ってチームを応援してきた熱心なファンがその瞬間を待っている。

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