高校野球女子 開志学園・中谷、5番打者として準V貢献 来年への誓い「今度こそ優勝を」

[ 2022年8月2日 23:15 ]

第24回全国高校女子硬式野球選手権大会決勝   開志学園3―4横浜隼人 ( 2022年8月2日    甲子園 )

<横浜隼人・開志学園>初回中前に逆転2点適時打を放つ開志学園の5番・中谷
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 開志学園(新潟)の中谷日菜香右翼手(2年)が2日、静岡県出身(三島市)の女子高校硬式球児として初めて甲子園の舞台に立った。横浜隼人(神奈川)との決勝に5番でフル出場。試合は延長10回タイブレークの末3―4で敗れたが、初回に逆転の2点中前打を放つなど準優勝に貢献した。

 3時間5分。力は出し尽くしたからこそ涙はなかった。カクテル光線に照らされた中谷の表情は、涙する仲間とは対照的に清々しかった。静岡県出身の女子高校球児として、初めて甲子園でプレー。その球史に名を刻むとともに、2年生として来年再びリベンジする闘志が湧いた。

 「3年生は終わりですが、自分たちはまだ来年もある。もう一度ココに戻ってきて今度こそ優勝します」

 仲間の緊張感をひと振りで吹き飛ばした。1点を先制された直後の初回裏2死二、三塁で中前に逆転2点打。球種はどうでもよかった。「初球を打とうと思っていました」という気持ちが体とバットを動かした。

 下馬評では有利だったにもかかわらず、中盤以降は防戦一方だった。タイブレーク負けにはある意味納得がいった。チームの副将であり、2年生のリーダー。むしろ、この悔しい惜敗が主将となって挑む来夏への糧となった。今夏はテレビでしか見たことがなかった甲子園で「インした時から空気が違った。言葉も出ませんでした」という貴重な経験ができた。さらに電光掲示板に「中谷」の名が記され、場内アナウンスで「中谷さん」と呼ばれた興奮は一生忘れることはない。

 スルガマリンガールズで主将だった中学3年時はコロナ禍で全国大会が中止に。高校の見学会もほとんど行けず、アプローチをしてくれた新潟の開志学園で高校球児の聖地に足を踏み入れられた。これも良縁。だからこそ来年は「日本一」を手にする。 (小澤 秀人)

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2022年8月2日のニュース