広角打法で打線引っ張る明大・宗山

[ 2022年5月12日 09:52 ]

明大・宗山
Photo By スポニチ

 東京六大学野球春季リーグ戦は第5週を終了し、明大が勝ち点3で首位に立った。戦前は投手力に不安があり評価は低かったが、蒔田稔(3年=九州学院)、村田賢一(同=春日部共栄)の右腕2人が共に3勝を挙げ、法大戦では高山陽成(4年=作新学院)が救援で活躍。エース候補と期待された藤江星河(2年=大阪桐蔭)をひじ痛で欠く中、経験の少ない投手陣が頑張っている。

 一方、打線をけん引しているのが打率トップの宗山塁(2年=広陵)だろう。9試合を消化して33打数17安打の打率・515。5試合でマルチ(複数)安打を記録し、左打席から右方向7本、中堅4本、左方向6本と広角に打ち分けている。“左対左”も左腕から6安打(本塁打1)を放ち苦にしないのが強みだ。あるスカウトは「バットの出る角度がいいよね。内角もさばける。だから凡打になっても内容があるもの」と評価。田中武宏監督は「あいつ(宗山)は打つ方はやる(練習する)子なので守備のことしか言っていない」と全幅の信頼を寄せる。

 遊撃手としても守備範囲が広く肩も一級品。昨秋に唯一満票でのベストナインに輝いた男がひと冬越えてさらにレベルアップした感じだ。「初めての勝ち点制のリーグ戦ですが、楽な試合なんて一つもありません。そのために準備はしてきました」と宗山に満足という言葉はない。ドラフト候補で主将でもある村松開人(4年=静岡)をケガで欠く中打線を引っ張っている。整った顔立ちで女性ファンも急増中だ。

 今週対戦する慶大の捕手は善波達也前監督の長男、力(つとむ、3年=慶応)。この駆け引きも面白い。打率2位は上田(明大)の・389。初の首位打者への期待も高まる中「一戦に集中して戦います」と宗山はチームの勝利だけを考えて打席に立つ。

 <優勝の行方>明大が14日からの慶大戦に勝ち点を挙げ、立大が早大に勝ち点を落とせば19年春以来の優勝が決まる。慶大とは19年春に連勝して以来同秋●●、20年春●、同秋△●21年春●●、同秋△△と勝利がない。V3を狙う慶大に対し苦手意識がある中、雪辱なるかも注目だ。

続きを表示

2022年5月12日のニュース