阪神・矢野監督 積極采配不発 4回コイキラー秋山に代打も「アキの状態と森下っていうのを含めて交代」

[ 2021年7月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-4広島 ( 2021年7月4日    マツダ )

<広・神(10)> 4回2死二、三塁、矢野監督(右端)は秋山に代えて原口を代打に送る(撮影・大森 寛明)
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 阪神・秋山は厳しい表情で肘当てと打撃手袋を外し、まさかの“降板”をかみしめた。3―2の4回2死二、三塁。矢野監督はベンチを出て、代打・原口を告げた。

 「(代打の理由は)もちろん、全部。アキの状態と、森下っていうのと、すべて含めて交代にしたけど」

 差は1点とはいえ、優勢の状況にもかかわらず、まだ2失点で3回46球しか投げていなかった先発投手の交代。難敵の森下から追加点を奪いにいった攻めの采配だった。

 確かに秋山は3点差に広がった直後の3回に3安打を集中されて2失点した。一方、広島には昨季6戦4勝、今季も3戦3勝で、7連勝中だった。開幕から12度の先発で、5回未満での降板は今回が2度目。好相性とゲームメーク力に期待する手もあった中での大きな決断だった。

 果たして、原口は森下の153キロ直球を捉えたライナーが惜しくも右翼・鈴木誠の正面を突いた。1点を取りにいった策は結果的に不発に終わり、必死の継投策に切り替わった。

 2番手の斎藤が4回を無失点に抑えたものの、早々に窮地がやってくる。5回、3番手の石井大が2死一、三塁を招き、左の坂倉に対して左腕の岩貞を投入。指揮官の「1人、何とかサダが頑張ってくれたら」との願いもむなしく147キロの直球を仕留められ、左翼フェンス前まで運ばれる逆転の適時二塁打を浴びた。

 「そこ(4回から)は決まってないとこやし。5、6回はみんなで何とか乗り越えてほしいというところで大智(石井)がいいんじゃないかと」

 斎藤、石井大らの若い力に期待した中盤の継投が岩崎、スアレスの勝ちパターンまではつながらず、敵地で手痛いカード負け越し。5月30日の西武戦に並ぶ今季最多の7投手をつぎこみながら、白星を取りこぼした。(遠藤 礼)

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2021年7月5日のニュース