巨人・菅野、1失点完投で2勝!広島・九里との投手戦 要所で“幻惑”桑田コーチ直伝カーブ

[ 2021年4月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2ー1広島 ( 2021年4月23日    東京D )

<巨・広>今季2勝目を挙げ、大城(左)と抱き合って喜ぶ菅野(撮影・森沢裕)
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 カーブ。緩急をつけるだけでなく、相手にインプットさせるだけでも効果がある。巨人・菅野が演じた1失点完投劇。緻密な計算を元にカーブを要所に配したエースは「めちゃめちゃ疲れました。全神経を集中させて投げたので今日はよく寝られそう」と笑った。

 相手に強烈な印象を植え付けた1球は5回だ。2死一塁で安部を打席に迎え、初球は124キロのカーブで空振りを奪った。そして1ボール2ストライクからの4球目も124キロのカーブを投じ空振り三振。カウント球だけでなく勝負球でも使用した。新任の桑田投手チーフコーチ補佐から投げ方や握りの助言を受けながら取り組み「(投球の)軸になる」と自信を深めてきた同球種。菅野は「カーブもいいところで使って、(5回の)安部の三振とか“こういう使い方もあるんだな”と感心した」と女房役の大城との呼吸もピッタリだったことを喜んだ。

 この日に投じた116球中、カーブは7球。安部との対戦もあった5回までに5球を投げたが、6回以降は2球しか投げなかった。追い込まれた打者は菅野が武器とするスライダーだけでなく、カーブも頭に入れなければならない。それが相手の早打ちも誘い、対戦した打者34人中、11人を2球以内で抑えた。

 開幕直後に足の違和感で出場選手登録を抹消された。復帰戦となった9日の広島戦は敗戦投手も前回16日のDeNA戦は完封勝利。この日も1人で投げきり、エースの本来の力強い姿を取り戻した。

 「カードの頭でこういう投球をすれば中継ぎも投げやすい。今日の試合を取れたのは大きい」と菅野。前日までの首位・阪神との3連戦を2勝1敗で勝ち越し、今カード初戦も取った。阪神が敗れたためゲーム差は1。リーグ3連覇を狙うチームに不可欠なエースが輝きを取り戻し、「指定席」が見えてきた。(田中 健人)

 《東京D52勝目は槙原超え5位》菅野(巨)がチーム50人目の通算200試合登板を白星で飾った。16日DeNA戦の完封に続く完投勝利だが、自身の2試合連続完投勝利は18年9月22日ヤクルト戦から10月4日広島戦の3連続完封以来3年ぶり。また、東京ドームでは通算52勝目になるが、同球場での勝利数上位を見ると

(1)斎藤雅樹(巨)78―34
(2)桑田真澄(巨)70―57
(3)内海哲也(西)65―34
(4)上原浩治(巨)57―29
(5)菅野智之(巨)52―19
(6)槙原寛己(巨)51―36

 と槙原を抜き単独5位に浮上。勝率は・732となり、6投手の中では斎藤雅の・696を上回る最高と本拠地で強さを発揮している。

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