日本ハム・上沢 まるで「千日回峰行」の日々 1冊の本と乗り越えた苦難

[ 2020年7月29日 05:45 ]

パ・リーグ   日本ハム5―1オリックス ( 2020年7月28日    札幌D )

指で1勝と2本塁打ポーズを取る上沢(左)と中田(右)(撮影・高橋茂夫)
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 【Hero's File】アリゾナ春季キャンプ中だった19年2月8日。日本ハム・上沢は栗山監督から「開幕投手お願いします」と力強いメッセージが書かれた一冊の本を手渡された。奈良・吉野の大峯山で99年に史上2人目の「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」を成し遂げた慈眼寺の塩沼亮潤住職の著書だった。

 地道で孤独なリハビリ生活は、標高1719メートルの山頂までの往復48キロを一日も休まずに1000日間登り下りする「千日回峰行」のようでもあった。復活までの道を一歩一歩、地道に進む毎日。昨年末には、手術した左膝の状態が後退。「結構きつかった」と苦悩の日々が続いた。

 同著と出合い精神面が変化。「常に修行の身なのは野球もそう。うまくいってもいかなくても続けることが大事。(栗山監督は)うまくいかなくなった時のために、そういうことを伝えたかったのかな」。前例のない大ケガからのリハビリを乗り越えた上沢。一歩一歩踏みしめてたどり着いた復活勝利だった。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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2020年7月29日のニュース