巨人 20勝一番乗り 岡本 長~~いV弾「打った瞬間行くなと思った」

[ 2020年7月29日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―2DeNA ( 2020年7月28日    東京D )

4回1死、左越えにソロ本塁打を放つ岡本(投手・井納)(撮影・吉田 剛)
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 球を捉えてから着弾まで「7・02秒」は、自身最長の滞空時間だろう。今季初めて観客を入れた東京ドーム全体が、巨人・岡本の弾道を見上げた。今季過去11本の平均「4・91秒」を大きく超える。

 左飛を思わせる上がり方。だが本人は「強く振り抜くことができた。打った瞬間行くなと思った」と確信があった。内角球に差し込まれ、バットの芯ならファウルだったかもしれない。グリップ寄りの細い部分で打ちながら、軸回転を利用して右手で強く押し返したから高く上がった。原監督も「価値ある一打。パワーでしょうな」と力と技を称えた。

 ファンの前での本拠地試合は279日ぶり。“待ちに待った”決勝弾が左翼席に着弾し、歓声が上がる。1―1の4回1死から12号ソロ。本当は「ファウルにならなくて良かった」と思ったが、ヒーローインタビューでは真顔で「ちゃんと捉えていたので大丈夫」と隠した。客席がざわつくのが心地よかった。

 口べただが、人を楽しませるのは好き。過去にトークショーで趣味を「釣り。ブラックバスが好き」と言った。専門用語で疑似餌が水中を漂うことを「滞空時間」と表現する。振動を伝えて魚を誘う、この操作がうまい。亀井と行ったシーバス釣りではスズキが入れ食い。話は若干長くなったが、最後にきちんと「竿が折れてました」とオチをつけて“着地”。笑いを取った。

 竿は折ったが、バットは折らずに2試合連発。本拠有観客初戦で20勝両リーグ一番乗りし、2位ヤクルトに今季最多4・5ゲーム差を付けた。「ホームでファンの方々が応援してくれるのはありがたいですし、力をもらえた」と岡本。首を長くして待ったファンを、今季最も短い前試合の「4・06秒」より3秒も長く楽しませた。 (神田 佑)

 ○…巨人が両リーグ最速で20勝に到達。チームの両リーグ20勝一番乗りは13年以来7年ぶり17度目。過去16度中、14度優勝しており、V確率は88%。原政権下では02、09、13年と全てリーグ制覇している。

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2020年7月29日のニュース