打たれたことも糧に…大瀬良“開眼”新人一番乗り完封

[ 2014年9月7日 05:30 ]

<D・広>新人一番乗りとなる初完封を飾った大瀬良

セ・リーグ 広島1-0DeNA

(9月6日 横浜)
 真っ向から力勝負を挑み、プロ22試合目の登板で自己最多の10三振を奪ってねじ伏せた。広島のドラフト1位右腕、大瀬良がDeNAを散発5安打に封じ、今季両リーグ新人一番乗りとなる完封で8勝目を手にした。

 「めちゃくちゃうれしい。石原さんのミット目がけて投げることだけ考えた」

 初めての味をかみしめた大瀬良。立ち上がりから「球自体は今年一番いいかも、と思った」とエンジン全開で、梶谷と石川から連続三振を奪う。2回はブランコを高めの151キロで空振り三振に仕留め、自己最速の152キロも記録。9回に150キロを計測するなど最後まで球威が落ちることはなかった。

 7、8月はシュート回転する球が目立ち、1勝しか挙げられず「腕を振ろうという意識が悪い力みを生んだ」と自己分析する。「フォームを一定させて、リリースの瞬間に腕を振るイメージ」で投球を修正。その結果、8月中旬のブルペンで軸足の右足親指に体重の乗る感覚が芽生えた。同時に踏み出す左足の小指から力が抜ける感覚が消えたという。この日は「打たれたこともいつか役に立つと思ってやってきた。体全体を使って投げられたし、少しずつ納得できる球が出てきた」と、成長の跡を示す126球だった。野村監督も「言うことない。高さといい、コースといい、凄かった」と絶賛した。

 8月23日の阪神戦(マツダ)からの連続無失点イニングは19に伸びた。「継続したい」と大瀬良。チームは前カードで巨人に3連敗したショックを引きずらずに2連勝。チームが最後にリーグ優勝した1991年生まれのルーキーが、23年ぶりの優勝を運んでくるか。

 ≪「1―0完封&2桁奪三振」は球団新人初≫ルーキーの大瀬良(広)が10三振を奪い、1―0完封。広島の新人完封勝利は、97年黒田、沢崎に次ぎ15人目。うち1―0では、90年10月13日大洋戦の佐々岡以来6人目になる。また、10奪三振以上の完封だと、82年6月2日大洋戦の津田(12奪三振)に次ぎ2人目だが「1―0完封&2桁奪三振」は球団新人初の快挙になった。なお、広島に限らず、新人が2桁奪三振の1―0完封をマークするのは、99年4月27日ロッテ戦の松坂(10奪三振)以来15年ぶり。

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