“奇策”失敗…執念ブラウンシフトも5割に届かず

[ 2010年6月8日 06:00 ]

<巨・楽>10回1死満塁、巨人・小笠原の打席で、楽天・ブラウン監督が左翼・内村(0番)を、二塁・高須、遊撃手・渡辺直の間に入るシフトをとる

 【楽天0―1巨人】勝率5割へのビッグチャレンジだった。0―0の延長10回裏。1死満塁となって楽天・ブラウン監督はかけに出る。左翼手の内村を内野に呼び寄せて二遊間へ。外野2人、内野5人というスペシャルシフトを敷いて、小笠原を抑え込みにいった。

 「あそこの場面はイチかバチか。併殺でしか逃れる道はなかった。それにかけた」。狙いは5人の内野手による前進守備でホームゲッツー。左腕・川井は引っかけさせようとスライダーを低めに連投したが、0ストライク2ボールからの3球目が高く入った。「小笠原さんは引っ張らずに合わせにきていた」と捕手の嶋。2人しかいない外野へ打たれた飛球は、サヨナラ犠飛には十分だった。
 広島監督時代から通算7度目のシフト。サヨナラ負けは2度目となったブラウン監督は「小笠原さんは年俸をたくさんもらっているからね」と言った。その小笠原の年俸3億8000万円の20分の1、年俸1900万円の川井は「外野へ打たれたら終わり。練習するしかない」と反省するが、ブラウン監督はこうも続けた。「巨人を最後まで苦しめた。チーム力は確実に上がっているよ」。かけには負けたが、勝率5割はそう遠くない。

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2010年6月8日のニュース