松井9号! メジャー通算150本塁打に王手

[ 2010年6月8日 06:00 ]

<マリナーズ・エンゼルス>試合終了時、マ軍ベンチに向けてスイープポーズをする松井

 【エンゼルス9―4マリナーズ】エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が6日(日本時間7日)、マリナーズ戦で自身メジャー通算150本塁打に王手をかける9号ソロを放つなど2安打1打点。同地区のライバルを敵地でスイープした。チームは今季2度目の5連勝で首位レンジャーズに0・5ゲーム差の2位に浮上。7日(同8日)にも今季初の地区首位に立つ。一方、3連敗のマ軍は今季ワーストタイの借金12。イチロー外野手(36)は2安打1打点と気を吐いたが、孤軍奮闘に終わった。

【試合結果


 高く力強い放物線を描いた打球に、さすがのイチローも2、3歩下がっただけで降参した。1点を追う5回。松井が左腕バルガスの真ん中へ甘く入った135キロ初球を打ち砕いた。
 「ストレートだけど若干カット気味。ちゃんと芯でとらえていた。あそこまで甘い球はなかったけど、同じような軌道の球は見ていた」と右越えの同点9号ソロを納得顔で振り返った。
 伝家の宝刀ともいえる「初球打ち」だ。メジャー通算149号だが、カウント別で最多は初球打ちの28本。5月30日、マ軍戦の先制7号2ランも同じく初球打ちだった。以降8試合で打率・419、3本塁打8打点。追い込まれるまで際どいコースには手を出さないため、球を待つイメージが強いが「初球の甘い球を逃さない。それを仕留められれば一番いい」と初球打ちこそ好調のバロメーターとしている。チーム59試合目の9号到達は、最終的に31本塁打した04年の50試合目に次いで早く、序盤の出遅れを一気に取り戻した。
 重心のかけ方や、球をとらえるポイント、呼吸や手首の角度など「いろいろなものを絶えず微調整していく。大きく変えるのではなく、結果は紙一重でついてくる」と修正を重ねて「球が見えている。バランス、タイミングが良くなってきた。いいポイントでとらえられている」と胸を張る状態にまで戻ってきた。
 同点の7回は左前打。6月6試合で5試合目のマルチ安打だ。マ軍相手に敵地で同一カード全勝のスイープは、08年6月2~4日以来2年ぶり。松井自身もセーフコ・フィールドで打率・318、7本塁打、21打点としてア・リーグ14球場トップの数字とした。「イチローの庭」を「ゴジラの園」にした活躍でチームを5連勝に導き、首位・レ軍と0・5ゲーム差の2位に浮上させた。
 「今までのことを思うといいところに来てはいるんでしょうけど、でも一戦一戦ですね」と表情を引き締め、次なる敵地・オークランドへ飛んだ。ゴジラ率いるエ軍の快進撃は、ようやく見据えた首位の座さえも通過点にしてしまう勢いだ。

 ≪場内喝采のファインプレー!≫ゴジラも真っ青のスーパーキャッチだ。初回2死二塁、フルカウントから松井の一塁線を襲う弾丸ライナーはファウルグラウンドへ。これをボールガールのトビー・バニーさんが見事にダイレクトキャッチして場内の喝采を浴びた。「しっかりとらえた打球だったし、びっくりしました」と松井は話したが、バニーさんは「楽勝だったわ。結構うまく捕れることもあるの」と涼しい顔。地元バルボア大のソフトボール部で投手とあって、その後も華麗なグラブさばきを披露していた。

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