青学大1部昇格も笑顔なし 名門の誇りが許さず

[ 2010年6月8日 06:00 ]

<青学大・立正大>5安打完封勝利の青学大・福島

 東都大学野球入れ替え戦の3回戦が7日、神宮球場で行われ、青学大が7―0で立正大に快勝。大阪桐蔭出身で08年夏の甲子園V腕、福島由登投手(2年)が5安打完封の快投で、52季ぶりに2部降格の屈辱を味わった名門が2季ぶりの1部復帰を決めた。一方、立正大は2部降格が決定。前年の明治神宮大会覇者が翌春に降格するのは、02年春の駒大以来、史上2校目。「戦国東都」を象徴する結果となった。

 歓喜の輪もなければ、七色の紙テープも投げ込まれない。ナインは淡々と整列し、河原井監督も笑顔ひとつ見せず、会見場に現れた。そこに1部で12度の優勝を誇るプライドがにじみ出ていた。
 「選手にはずっと言ってたんです。入れ替え戦で勝つのが目標じゃないよ。リーグ戦をここでやる。日本一を目指すんだよ、と」
 昨秋は入れ替え戦で敗れ、84年春以来、52季ぶりに2部に転落。87年に就任した指揮官にとっては初の屈辱だった。新チームが発足し、選手は目の色を変えて練習したが、現役時代に2部を経験している指揮官は知っていた。「開幕して本球場でやれなくなれば都落ちした気分になる。でも人間は忘れちゃうんです」。伝統の「Aoyama」ではなく、左胸にワンポイントが入っただけの2部限定ユニホームを採用したのは、悔しさを忘れさせないためだった。
 2部降格後、わずか1季で1部復帰を決めたのは史上9度目。その原動力は2部で6勝を挙げ、最高殊勲選手に輝いたエース福島だった。切れ味鋭いスライダーを武器に5安打完封。二塁さえ踏ませなかった。「入れ替え戦は通過点。上(1部)でやることを目標にやってきた」。まだ2年生ながら伝統とプライドはしっかりと受け継いでいる。「あのユニホームはもういいです」。目指すは日本一。だから「1部残留」を目標に掲げるつもりは毛頭ない。

 ▼巨人・篠塚打撃コーチ(長男・宣政が2番・遊撃で先発出場)5回途中まで球場で見てました。よく頑張ったと思う。とりあえず安心したとは思うけど、引き続き秋も頑張ってほしい。
 ▼ヤクルト・石川(01年度卒)落ちてすぐ上がったので本当に良かった。監督を中心にまとまったチーム。この頑張りをもらって僕も頑張りたい。

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2010年6月8日のニュース