【柔道】パリ五輪金の出口クリスタ「2人で強くなってきた」絶望から救った妹に感謝 引退会見で涙

[ 2026年3月24日 17:07 ]

引退会見を行った柔道女子57キロ級の出口クリスタ(右)と52キロ級の出口ケリー(撮影・前川 晋作)
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 柔道女子57キロ級パリ五輪金メダルの出口クリスタ(30=日本生命)と女子52キロ級の出口ケリー(27=日本生命)姉妹が24日、現役引退を同時に発表し、都内で会見を行った。

 出口クリスタは「目標としていた五輪金メダルを達成して、現役としての柔道人生に満足できたからここが引き際なのかなと思いました」と引退の理由を説明。金メダルを獲得した2024年パリ五輪後には「もしかしたらまだ柔道したいと思っている自分がいるかもしれない」と現役続行も考えたが、昨年7月のグランドスラム(GS)ウランバートル大会出場を試みる中で「あまりにも(心の)炎が燃えてこなくて、そこでもう満足したんだなと思った。もう一度柔道したいという気持ちにならなかった」と決断に至った。

 長野県塩尻市出身で松商学園高3年時にGS東京大会3位に入るなど10代の頃から活躍。日本代表で五輪出場を目指したがその後はなかなか結果が出ず、山梨学院大3年時の2017年に父の母国であるカナダ国籍を選択した。2019年に世界選手権で初優勝を果たすも、2021年の世界選手権で5位に終わり東京五輪代表落選。「今までの競技人生で一番のどん底を経験した。あそこまでの悲しみや絶望はない。悔しすぎて東京五輪は見れなかった。柔道が嫌になった」。一時は柔道から離れたが「徐々にまたやりたくなって気付いたら道着を着ていた」と再起。2023年の世界選手権で2度目の優勝を果たし、2024年パリ五輪で金メダルを獲得した。

 柔道人生一番の思い出は金メダルに輝いたパリ五輪ではなく、東京五輪を逃した2021年の世界選手権。「五輪で優勝しても世界選手権で優勝しても、何より負けたことが印象に残っていて、これからも忘れることはない。あれを経験したからこそパリの金メダルがあるし、今の私がいる。競技者としても人間としても成長しましたし、今となってはあの負けがあってよかったのかなと思います」と振り返った。

 パリ五輪で世界の頂点に立てた要因として、妹・ケリーの存在も大きい。東京五輪落選後は「失意のどん底にいる時、すごく気に掛けてくれて生存確認してくれた」という。2人はもともと同じ57キロ級だったが、ケリーが52キロ級に下げて姉妹でパリ五輪同時出場を目指すこととなった。クリスタはその当時のことを振り返ると、こらえていた涙があふれた。「一人ではここまでやってこれなかった。2人で強くなってきた。金メダルもうれしいけど、何より2人で五輪に出られたことがうれしい」。妹への感謝を述べ、互いの現役生活を労った。

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