【スノボ】平野歩夢 五輪連覇へ暗雲…本番25日前に転倒流血負傷 急きょ帰国検査へ

[ 2026年1月19日 05:00 ]

スノーボードW杯ハーフパイプ第5戦 ( 2026年1月17日    スイス・ラークス )

男子決勝1回目で転倒し、引き揚げる平野歩夢。このまま棄権した=ラークス(共同)
Photo By 共同

 2月のミラノ・コルティナ五輪前最後のW杯は決勝が行われ、男子で22年北京五輪金メダルの平野歩夢(27=TOKIOインカラミ)が1回目の試技で激しく転倒し、2回目を棄権するアクシデントに見舞われた。関係者によれば、今後は精密検査を受けるため、急きょ帰国する予定。ケガの箇所や症状によっては、五輪連覇に暗雲が垂れ込める状況となった。 

 ライトに照らされた純白のパイプが、一瞬の静寂に包まれた。決勝1回目、2番手で登場した平野歩が最初の2つのトリックを鮮やかに決めた後の3つ目だった。

 正スタンス(右足前のグーフィー)でリップ(パイプの上の縁)から大きく飛び出し、斜め軸に縦2回転、横3回転半するフロントサイドDC1260を試みた。だが、最高到達点から降り始めた時にバランスを崩してパイプの中腹に両手、顔面、上半身の順に激突。建物3階分以上に当たる推定8メートルも落下した。板の先端は折れ、場内DJも「ワオ…」と思わず声を上げた。

 オーソドックスなグラブ(手で板をつかむこと)なら平野歩にとっては高難度とは言えない技だが、オリジナルのアレンジを加えた技で、昨年12月には「結構(習得に)時間がかかり、何回か頭から落ちた。ちょっとトラウマになった」と話していた。W杯開幕戦では成功していたものの、1カ月ぶりの実戦だった今回は決めきれなかった。

 すぐに起き上がり、フィニッシュ地点までゆっくりと滑り降りたが、鼻や口からおびただしい量の血が流れた。治部忠重ヘッドコーチによると、左股関節と右膝の痛みを訴え、チームとして棄権を判断。冬季Xゲーム(23~25日、米コロラド州アスペン)出場プランもあったが、急きょ帰国し精密検査を受けることになった。

 すでに連覇が懸かる4度目の五輪出場を確実にしていた。20代後半に入り、近年はケガと闘ってきた。例年11月に欧州で行う雪上合宿では、23年に左肩のじん帯を痛め、24年は右肋骨を骨折。その分、普段の体のケアは10代の頃の何倍も時間をかけ、食事にも気を使ってきたが、思わぬ不運に見舞われた。

 五輪の男子HP予選(2月11日)まであと25日に迫った中で起きたアクシデント。大事に至れば五輪連覇はもちろん、4度目の出場すら危ぶまれる。だが、平野歩はこれまでも数々の偉業と奇跡を起こしてきた。21年東京五輪にスケートボードで出場し、わずか半年後の北京五輪で超大技トリプルコーク1440を決めて金メダルを獲得。今回も奇跡を起こすことを、日本中が固唾(かたず)をのんで願っている。

 ▽平野歩とケガ 平野歩本人が最もつらい時期だったと振り返るのが、17年3月のUSオープンでのケガで、4回転技に失敗して転倒し、病院へ緊急搬送。肝臓破裂の重傷で、医師からは「1センチズレていたら死んでいた」と言われたほどだった。例年11月の欧州での雪上合宿では23年に左肩じん帯を痛め、24年には右肋骨を骨折。昨年3月の世界選手権も、予選の前日練習で左肋骨を骨折し、棄権を余儀なくされた。

続きを表示

この記事のフォト

「平野歩夢」特集記事

「羽生結弦」特集記事

スポーツの2026年1月19日のニュース