【玉ノ井親方 視点】遠藤が2敗をキープ 今場所はチャンズがある

[ 2023年3月21日 19:14 ]

大相撲春場所10日目   ○遠藤(すくい投げ)正代● ( 2023年3月21日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所10日目> 掬い投げで正代を破った遠藤(左) (撮影・後藤 大輝) 
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 遠藤が正代との2敗対決を制した。

 立ち合いから突っ張って正代の出足を止めようとしたが、相手に先に左を差され、右もこじ入れられて土俵際まで押された。それでも体の柔らかさを生かして、巻き替えた左で正代の上体を捻るようにすくい投げた。

 正代にすれば悔いの残る一番。得意の左を先に差せたことで、喜んで前に出すぎてしまった。相手は業師の遠藤だ。土俵際の粘りもある。もっと警戒しながら足を送るべきだった。今場所は良い時の状態に戻りつつあっただけに、一気に押し切れると過信してしまったのかもしれない。

 遠藤にとっては大きな白星。10日目に勝ち越しを決めたのは、一昨年の夏場所以来だそうだが、今場所は体の動きが良く、多彩な技も出る。

 賜杯争いは全勝の翠富士がリードしているが、まだ10日目。役力士との対戦も残っている。遠藤が2敗をキープして食らいついていけばチャンスも膨らむ。
(元大関・栃東)

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2023年3月21日のニュース