朝乃山 勝ち越しで再入幕確実 1年間の出場停止経て1年半ぶり「通過点です」

[ 2023年3月21日 04:33 ]

大相撲春場所9日目 ( 2023年3月20日    エディオンアリーナ大阪 )

左からの上手投げで狼雅(左)を下し1敗を守った朝乃山(撮影・長嶋 久樹)
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 十両の朝乃山が狼雅を上手投げで下し、十両筆頭での勝ち越しを決めた。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)は出場停止処分中だった一昨年の九州場所以来、1年半ぶりの再入幕が確実となった。新十両の落合も勝ち越し、逸ノ城を加えた3人が1敗で並走と、十両の優勝争いは白熱している。幕内は平幕・翠富士が宇良を押し倒して初日から9連勝とし、単独首位をキープ。小結・大栄翔は玉鷲を突き倒し、1敗を守った。

  達成感に酔うのはまだお預けだ。朝乃山が狼雅を上手投げで退け、東十両筆頭で勝ち越し決定。夏場所での再入幕を確実にした。

 「まだ場所は終わってません。再入幕は、来場所の番付発表で感じること」

 新型コロナウイルスのガイドライン違反のため、一昨年名古屋場所から1年間の出場停止処分を受けた。土俵復帰は三段目から。1年半ぶりの再入幕は5月1日の夏場所番付発表で正式決定するため、勝ち越しにも「通過点ですから」と一喜一憂しなかった。「出場するからには優勝を目指している」と話してきたとおり、2場所連続の十両優勝を見据えた。

 土俵上では格の違いを見せつけた。十両3場所目の成長株を相手に、立ち合いで得意の左上手を引くと、間髪入れずに土俵へ転がした。「先場所も対戦して、先に上手を取られて長い相撲になった。先に上手を取って、攻めていくつもりだった」。初場所も右四つになったが、相手にだけ許した左上手を長く引けず、右半身で耐える時間帯が長かった。その反省を生かし、元大関の底力を示した。

 先月、故郷・富山で行われた激励会で、本場所で使う座布団の目録を受け取った。落語家の立川志の輔(69)や俳優の西村まさ彦(62)、女優の室井滋(64)ら同郷の著名人5人から贈られたものだ。「汚したくないけれど、いただくからには夏場所で使いたい」。土俵下で座布団が使えるのは幕内力士のみ。郷里からの応援を力に変える戦いは、まだ続いている。

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2023年3月21日のニュース