【二所ノ関親方　真眼】故障箇所も癒え戻ってきた「御嶽海の寄り」

大相撲初場所2日目 （ 2023年1月9日    両国国技館 ）

若隆景（左）を攻める御嶽海　（撮影・光山　貴大）
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　久々に元気な御嶽海を見ることができて、私もスカッとしました。独特の体の寄せに加え、特筆すべきは右のかいなの返し方。相手の上手の利きを封じた手を上げるような使い方が効果的でした。これぞ「御嶽海の寄り」。厳しい攻めが光る若隆景に何もさせなかった内容は評価できます。

　昨年は肩を痛めたこともあり、大関陥落など不本意な一年になりました。肩は意外と厄介な箇所。苦労しているなと見ていましたが、故障箇所も癒えて本来の攻めが戻っているようです。過去には3度賜杯を手にしている実力者。今場所は目が離せない存在になりそうです。

　もっとも、ここから別人のように連敗してしまうのも御嶽海です。若隆景は初日にまわしを取っていい相撲を取ったことで、この日もまわしにこだわって御嶽海の密着を呼び込んだ。いい相撲で勝った時こそ、相手を研究するなど切り替えて臨んでほしい。（元横綱・稀勢の里）