阿炎 親友・若元春下し連勝発進 連続賜杯へ手応え「一番集中できている」

[ 2023年1月10日 04:30 ]

大相撲初場所2日目 ( 2023年1月9日    両国国技館 )

若元春(右)を攻める阿炎(撮影・久冨木 修)
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 先場所初優勝を果たした平幕の阿炎が、新小結の若元春を破って初日から連勝とした。優勝の勢いを今場所も継続させて好発進。上位陣では大関・貴景勝と関脇・若隆景が敗れ、三役以上の2連勝は早くも関脇・豊昇龍ただ一人となった。

 際どい勝負をものにできたところが、阿炎の好調の表れだった。得意の突っ張りで決めきれず若元春にもろ差しを許して攻め込まれたが、右から首投げ気味の突き落としで逆転。物言いがついたが軍配通りで白星をつかんだ。「残っていたと思う」と自身の中ではそれほど危なかった様子はなく「一番集中できている」といつもの言葉で手応えを口にした。

 この日の対戦相手の若元春は、1歳違いで幕下時代からプライベートで仲良くしており互いを「親友」と認めるほどの間柄。阿炎の地元・埼玉県越谷市で先月行われた優勝パレードには若元春が本人に内緒で駆けつける粋な“サプライズ”で友情を深めた。親友の三役昇進を「素直にうれしい」と喜ぶ阿炎は、祝福の気持ちと同時に対抗意識も強めていた。

 仲が良いからこそ、負けたくない。巡業で行動をともにするなど一緒にいる時間は長いが、場所前になると一変、連絡は一切取ってないという。「良き友であり良きライバルなので、そこはちゃんと線引きしないといけないと思っています」。土俵の上で真剣勝負をすることこそが“親しき仲の礼儀”だった。

 先場所の玉鷲、先々場所の逸ノ城と、平幕優勝力士の翌場所は序盤から黒星先行となることが多い。どうしても意識してしまう部分がある中、師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)の教えである「一番集中」を今場所も持続。無欲で突き進めば、先場所の勢いはまだまだ続いていく。

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2023年1月10日のニュース