東福岡・藤田監督“1月5日の壁”打破へ 本を読み、他競技参考に「自分自身がアップデートをしないと」

[ 2023年1月8日 06:00 ]

全国高校ラグビー大会決勝   東福岡41―10報徳学園 ( 2023年1月7日    花園 )

<報徳学園・東福岡>フィフティーンに胴上げされ、舛尾(5)らと抱き合う東福岡・藤田監督(撮影・北條 貴史)
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 5大会連続で1月5日の準決勝の壁にはね返されてきた東福岡。まずはそこを突破すべく藤田雄一郎監督は「自分自身がアップデートをしないと、チームもアップデートしない」と積極的に動いた。

 さまざまな本を読み、いろいろなチームの練習を見に行った。男子バスケットボールのウインターカップを3度制した強豪の福岡大大濠を率い、以前から親交がある片峯聡太監督の著書を読み食事へ。学校内では、春高バレーに出場した藤元聡一監督、サッカー部の森重潤也監督ら指導者と議論しながら、ヒントを得ようとした。

 練習メニューは守備7割にシフト。「自分が監督になって一番ディフェンスに取り組んできた」と話す。そして戦術を変えた。これまであまり見られなかったキックを多用して敵陣で戦うことを心がけたことで、安定感が出てきた。学校では保健体育教諭としてラグビー部員だけでなく、生徒とも向き合う。「毎日が楽しい。東福岡のガキ大将でいたい。母校愛もあるので、幸せな仕事をやらせてもらっている」と感謝する。

 ラグビー漬けの指揮官だが、博多っ子らしい一面もある。福岡で700年以上続く約2週間のお祭り「博多祇園山笠」だけは譲れないイベント。勇壮に街を駆け抜けるクライマックスの「追い山笠」は、新型コロナの影響で中止が続いていたが昨年は3年ぶりに復活し、指揮官も満を持して参加した。「7人制大会」の直前だったが、コーチ陣の協力もあり指導を中断して没頭できた。「スタッフも選手も学校も、この時期が来たねと認めてくれた」。教え子も花園を堂々と駆け抜けた。

 ◇藤田 雄一郎(ふじた・ゆういちろう)1972年(昭47)10月17日生まれ、福岡県出身の50歳。東福岡でラグビーを始める。第70回大会(1990年度)にNo.8で出場。福岡大を経て同校の保健体育教諭として赴任。谷崎監督のもとでコーチとして花園に12度出場。12年春から監督に就任し、今回の花園が11度目。

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2023年1月8日のニュース