報徳学園 兵庫県勢初Vの夢散る 石橋チューカ、決死のチャージでトライ演出も「負けで終わって悔しい」

[ 2023年1月8日 06:00 ]

全国高校ラグビー大会決勝   報徳学園10―41東福岡 ( 2023年1月7日    花園 )

<報徳学園・東福岡>健闘を称えあう報徳学園・石橋(左)と東福岡・大川(撮影・大森 寛明)
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 史上4校目の高校3冠、そして兵庫県勢にとっての初優勝に届かなかった。10―12で迎えた後半、報徳学園は接点の強さで東福岡に押し込まれ、ラインアウトも安定せずリードを広げられていく。終わってみれば、31点差をつけられて準優勝。高校日本代表候補のNo・8石橋チューカは、ぼう然と立ち尽くした。

 「セットプレーとブレイクダウン(ボール争奪戦)で圧倒されて、フィジカルの強さも感じた。最後、負けで終わって悔しい」

 前半23分、敵陣で石橋が相手のキックに決死のチャージ。左手首でブロックしてボールを奪い、これを起点にトライが生まれた。ビッグプレーで流れを引き寄せ、後半は左膝の負傷を押して出場を続けたが、東福岡の壁は高かった。

 高校日本代表候補8人を擁し、春の選抜大会と夏の7人制大会で優勝。過去最強と呼ばれるチームにあって、最大の持ち味は結束力だった。現在の3年生は38人。退部者は一人も出なかった。今夏、チームビルディングとして学年ごとに自分たちで行程を考えて旅行することになったとき、3年生は伊勢神宮に向かった。全ては3冠のため。自分たちでお金を出し合ってご祈祷もお願いし、目標に向かってきた。

 思い描いた結果にはならなかった。それでも、高校日本代表候補のSO伊藤利江人は「練習でもラグビー以外でも一つになれた、いいチームだった」と仲間に感謝した。石橋は京産大へ、伊藤は父がヘッドコーチを務める明大へ進学予定。後輩たちに夢を託し、3年生それぞれも新たなステージに向かう。(西海 康平)

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