二所ノ関親方 混戦初場所をこう見る 高安の経験値に期待 “実質大関”の4関脇に注目

[ 2023年1月8日 05:21 ]

二所ノ関親方
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 大相撲初場所は8日に東京・両国国技館で初日を迎える。昨年名古屋場所から3場所連続で平幕が優勝し混戦模様が続く中で、本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は関脇・高安(32=田子ノ浦部屋)の奮起に期待。変則日程と寒さで調整の難しい新春場所は、経験値が生かされると分析した。7日は国技館で土俵祭りが行われ、八角理事長(元横綱・北勝海)らが場所安泰を祈願した。

 1月場所は厳しい寒さと年末年始を挟む日程が鍵になります。最近は初優勝力士が続出するなど年6場所の中で最も調整が難しいと言えます。

 番付に1横綱1大関しかいないのは125年ぶり。実質大関のような位置にいる4関脇に注目です。高安は先場所のケガの回復具合も気になりますが、調整の難しい時期だけに、これまでの経験がものをいうでしょう。大関経験のある実力者。昨年も3度優勝に絡みました。腰の安定は評価できますし、加えて上位のライバルに強さを発揮している点は評価できます。昨年春場所の決定戦で負けた若隆景もその後の対戦で攻略しつつあり、ここ2回の対戦で連勝。豊昇龍には6勝1敗とカモにしています。

 鍵は、勢いのいい平幕とどう戦うか。そこをうまく乗り越えていけば、賜杯は近づきます。優勝しなくても大関に戻れますが、ぜひとも優勝というものを目指してもらいたい。私もファンもその瞬間を待っています。

 豊昇龍は先場所11勝を挙げ大関に最も近い位置にいます。足技もあるし、正攻法も取れる。まだ伸びしろもあります。前に出る圧力もあり、突き押しに磨きをかければ相手には相当嫌な存在になります。15日間圧力をかけ続ける気持ちを持つとひと皮むけるはずです。叔父さん(朝青龍)を全部まねることはありませんが、速攻相撲は参考にしてもいいと思います。

 貴景勝は先場所千秋楽の若隆景戦での気迫十分の相撲が良かった。大関へ上り詰めた頃を思い出しました。高安同様、ここ一番の重みを感じているので、その経験を生かして一人大関の重圧を克服してほしいと思います。

 2023年で注目しているのは平幕の平戸海。久々に叩き上げの好素材が出てきました。昔の力士のような風体で、左前まわしから攻める形も、出足もいい。太腿の裏の筋肉が大きくなればさらに魅力的な力士になります。気持ちも強いので楽しみです。(元横綱・稀勢の里)

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2023年1月8日のニュース