【全日本大学駅伝】駒大 “破格”大会新で3連覇!3度目の正直、箱根で3冠に挑む

[ 2022年11月7日 04:39 ]

全日本大学駅伝 ( 2022年11月6日    愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮の8区間106・8キロ )

ゴール直前、ガッツポーズをする駒沢大の花尾恭輔(代表撮影)
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 駒大が大会記録を4分21秒更新する5時間6分47秒で3年連続15度目の優勝を飾り、初の学生駅伝3冠に王手をかけた。絶対エースの田沢廉(4年)が7区の区間記録を43秒更新する49分38秒の区間新記録で、完全復活をアピール。4年連続の区間賞で、来年1月2、3日の箱根駅伝へ弾みをつけた。出雲、全日本での2冠を達成した駒大の過去2回はいずれも箱根で2位。過去最強の布陣で“三度目の正直”に挑む。

 前傾姿勢になりながらも、田沢は最後の力を振り絞った。区間記録を大幅に更新し、2位と2分27秒差でアンカーへたすきリレー。序盤からのリードをさらに広げ、大勢が決した瞬間でもあった。「凄く大きな記録を出して全日本を終えたい気持ちがあった。それを達成できて良かった」と控えめに笑った。

 大黒柱としての自信があった。1万メートルの日本人学生記録27分23秒44を持つ男は、最初の10キロを28分ちょうどで突っ込んだ。「走る前の状態が今回は良かった。監督には言っていなかったが、自分では49分台を目標に走った」。追い風もあり、大八木弘明監督の想定を上回るペースで力走。全日本で4年連続の区間賞を獲得したが「うれしいけど当たり前かな、という感じ」と胸を張った。

 期する思いもあった。10月の出雲駅伝は、どん底の状態。大会1週間前に胃腸炎で嘔吐(おうと)や下痢が止まらず、絶不調で臨んだ。3区2位と意地は見せたが、エースとして貢献できなかったことが何よりも悔しかった。「思うところがあった。エースらしく、他を寄せつけない走りを目標にしていた」とプライドをにじませた。大八木監督も「世界と戦っていくなら勝って当たり前」とうなずいた。

 田沢が完全復活を印象づけ、盤石な布陣で2冠を達成。だが、駒大が3冠に王手をかけて迎えた箱根は、過去2回とも準優勝に終わっている。「選手たちが3冠を目標にしている。かなえてあげたい」と指揮官。田沢は「最大のチャンスが訪れている。この機を逃さない」と力説し「何区を走るか分からないが、区間記録を狙いたい」と決意を新たにした。学生最強ランナーを擁する名門が、最終関門に向かう。 

 ◇田沢 廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森県八戸市出身の21歳。青森山田高3年時にアジアジュニア選手権5000メートルで銀メダル。駒大入学後は全日本大学駅伝で1、3、4年で7区、2年で8区と4年連続区間賞。箱根駅伝は3年時に2区区間賞。7月の世界選手権は1万メートルに初出場し20位だった。1メートル80、60キロ。

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