ドライブラ　米ツアー初V！初出場スコットランドの29歳が4差圧倒　15歳からの夢「言葉にならない」

女子ゴルフツアーTOTOジャパンクラシック最終日 （ 2022年11月6日    滋賀県　瀬田GC北C＝616ヤード、パー72 ）

通算20アンダーで優勝し、トロフィーを手に笑顔のジェマ・ドライブラ
Photo By 共同

　65をマークしたジェマ・ドライブラ（29＝英国）が、通算20アンダーでツアー初優勝を飾った。

　18番グリーンで浴びた祝福のウオーターシャワーが心地よかった。米ツアー未勝利の“伏兵”ドライブラが、初出場の舞台で大きな仕事をやってのけた。

　「言葉にならないくらいうれしいです。15歳の時から米ツアーで勝ちたいと思っていて、やっとその夢がかないました」

　前夜は優勝争いの重圧でベッドに入ってから何度も目が覚めた。だが、コースでは別人のような落ち着きを見せた。支えになったのが「今日は特に良かった」というツアーランク30位（29・54）のパットだった。「3日目からラインの読み方を変えた」と7番で1メートルのバーディーパットを決めて首位に並ぶと、13、14番で5メートル、そして15番ではカラーから5メートルを沈めて一気にリードを広げた。

　税理士の父・ジョンさん（63）の手ほどきで4歳でゴルフを始め、15歳の時に米IMGアカデミーにゴルフ留学。奨学金で米テュレーン大に入り卒業後にプロ転向した。だが、米ツアーでは賞金ランク100位以下が続き16、17年は欧州ツアーにも挑戦した。

　転機は昨年9月に米オレゴン州で行われた試合。最終日最終組で回り優勝は逃したが、8位に入って「その経験が今につながっていると思います」と笑顔で振り返った。

　ホールアウト後、米テレビのインタビューを受けている時に、苦しかった当時のことが脳裏に浮かんだのか、両親への思いを聞かれると「感謝しかないです」と涙ぐんだ。そして「父に連絡したら、100％泣くと思います。来週フロリダで両親に会えるので楽しみです」と笑顔で喜びをかみしめていた。　

　◆ジェマ・ドライブラ　1993年6月11日生まれ、英国スコットランド出身の29歳。米テュレーン大を経て18年から米ツアーに参戦。ツアーのトーナメント競技での最高成績は20年ドライブオン選手権の6位。昨季は獲得賞金5万5570ドル（約814万円）でランク132位。サッカーのマンチェスターUの大ファン。来日して初めて食べたラーメンが大好物に。1メートル65。