全国学生相撲選手権 日大が2年ぶり31度目の優勝 春山主将万感「チーム力に自信があった」

[ 2022年11月7日 07:41 ]

団体優勝を果たし、土俵下で思いがこみ上げる日大主将の春山万太郎(右から2人目)=撮影・前川 晋作
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 第100回記念全国学生相撲選手権大会の最終日が6日、東京・両国国技館で行われた。

 Aクラス団体戦は、日大が2年ぶり31度目の優勝を果たした。連覇を狙う日体大と決勝で対戦。先鋒・草野直哉(3年)が石崎涼馬(4年)を押し出して先制すると、二陣・春山万太郎(4年=主将)が個人戦準優勝の中村泰輝(4年)に敗れて1―1のタイに。中堅戦、この日が1年ぶりの復帰戦となった川渕一意(3年)がクリストファー(1年)を上手投げで退けて王手をかけた。副将戦、花岡真生(2年)がブフチョローン(2年)を得意の右上手投げで破って優勝を決めた。大将戦は川上竜昌が、前日の個人戦を制した学生横綱のチョイジルスレンに敗れた。

 優勝を決めた花岡は「日大のプライドもありますし、優勝しなきゃいけないというプレッシャーもあったけど、しっかり決められてうれしかった。最高ですね」と喜びを爆発させた。決勝は、絶対に負けられない相手だった。日体大の副将は同じ2年生のブフチョローン。7月の全日本大学選抜金沢大会団体戦準決勝で対戦し、下手投げで敗れていた。レスリングで高校日本一の実績を持つブフチョローンが相撲を始めたのは大学入学後。5歳の頃から相撲に親しんできた花岡は「自分の方が相撲をやってきたのに、大学から始めた相手に負けて悔しかった」という。その雪辱への思いを強く抱いて大一番を迎え「大事なところでチャンスが巡ってきてしっかり勝つことができてよかった」と胸をなで下ろした。
 主将の春山は「みんな一人一人が日大相撲部の自覚を持っているメンバーだったからこそ日本一になれた。チーム力に自信があった」と喜びを表した。昨年の同大会では準決勝の副将戦で自身が敗れて優勝ならず。「去年は自分が落として負けてしまった。それでも木崎監督にキャプテンに選んでもらって、木崎監督の教えのもとで優勝できてうれしい。伝統ある相撲部のキャプテンという重圧があった。自分一人ではこんな良いチームを作れないので、同期や後輩たちに支えてもらった」とチームに感謝した。主将の重責を果たし「良いチームを作れたかな。いろいろあった4年間で、最後に優勝して言葉に表せないですね」と万感の思いを口にした。

 学生横綱を擁する大学の団体優勝は、意外にも06年の日大(個人優勝は森友樹=元十両・大翔湖)以来ここまで15年連続で成し遂げられていなかった。個人戦優勝のチョイジルスレンと準優勝の中村泰輝を擁する日体大は優勝候補筆頭で、2人はこの日6戦全勝と圧倒的な強さを見せたが、惜しくも優勝ならず。今年もジンクスは破れなかった。

 ▽Aクラス団体戦 準々決勝
日体大 5―0 専大
近大 3―2 中大
日大 4―1 金沢学院大
東洋大 4―1 農大

 ▽準決勝
日体大 3―2 近大
○石崎涼馬 上手出し投げ 久國颯治 
○中村泰輝 突き倒し 藤澤詩音 
 クリストファー 送り投げ 三田大生○
 ブフチョローン 下手投げ 北野泰聖○
○チョイジルスレン 寄り切り 山崎勝磨 

日大 4―1 東洋大
○草野直哉 押し出し 江連春樹 
 春山万太郎 押し倒し 角田虎紀○
○川渕一意 はたき込み オドフー 
○花岡真生 引き落とし ミャンガンバヤル 
○川上竜昌 居反り 三上大輝 

 ▽決勝
日大 3―2 日体大
○草野直哉 押し出し 石崎涼馬 
 春山万太郎 寄り切り 中村泰輝○
○川渕一意 上手投げ クリストファー 
○花岡真生 上手投げ ブフチョローン 
 川上竜昌 突き落とし チョイジルスレン○ 

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