カナダのBC州が30年バンクーバー冬季五輪を支援せず 膨大な経費に「リスクがある」と難色

[ 2022年10月28日 09:05 ]

バンクーバーを本拠にしているNHLカナックスのロジャース・アリーナ(AP)
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 カナダのブリティッシュ・コロンビア州政府は27日、2030年の冬季五輪招致に動いている同州最大都市のバンクーバー市(人口68万人)に対し、州政府としては支援しないと表明した。

 AP通信が報じているもので、リサ・ベアー観光芸術文化スポーツ相は「現時点での経費の見積もり(10億~12億カナダ・ドル=1080億円~1296億円)はさらに増えるリスクがあり、州政府としては優先できない、我々は庶民のことに集中する必要がある」とその理由を説明。これを受けてカナダ五輪委員会は28日に会見を開くことになった。

 2030年の冬季五輪開催を巡っては、いずれも過去に開催経験のあるバンクーバーと札幌、さらに米国のソルトレイクシティー(ユタ州)が候補都市として残っているが、2028年にロサンゼルス(カリフォルニア州)で夏季五輪が開催されるために、ソルトレイクシティーは2034年の冬季五輪開催にシフトしているとされている。ただしソルトレイクシティー側は「求められるならば30年開催にも対応できる」としている。

 札幌市が招致を目指す30年冬季五輪の開催地選定を巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)が年内の候補地一本化を見送り、来年の9月か10月にインドのムンバイで行われるIOC総会まで先送りされている状態。当初は札幌とバンクーバーの“一騎打ち”と見られていたが、州政府の支援を得られなくなったバンクーバー市は窮地に追い詰められている。

 なおAP通信は「Vancouver's shot at hosting 2030 Winter Olympics dims(バンクーバーの30年冬季五輪招致はおぼろげになった)」という見出しでこの一報を伝えている。

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