小平奈緒さん 11月から信州大の特任教授に就任「生涯スポーツを楽しむ一市民。大会とかには出ない」

[ 2022年10月28日 05:10 ]

花束を手にスタートポーズを取る小平(撮影・久冨木 修)
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 スピードスケートの18年平昌五輪女子500メートル金メダリストで22日の全日本距離別選手権のレースを最後に現役引退した小平奈緒さん(36=相沢病院)が27日、都内で会見を開いた。今後は相沢病院所属のままで、母校・信州大の特任教授に11月1日付で就任。来年1月から1年生を対象にしたキャリア形成や健康科学に関連する授業の一部を担当する。講演やスケート教室などのイベント活動も積極的に行う方針だ。

 オランダや韓国のメディアも駆けつけた前で「慣れない舞台での活動が増えますが“知るを楽しむ”と“唯一無二の自己表現”という、これまでと変わらないテーマを探求したい」と意欲。日本オリンピック委員会からシンボルアスリートとして30年札幌五輪招致の協力を打診されたが「今は競技力や五輪ではなくてスポーツの純粋な楽しさをもう一度考えたい」と引き受けない意向だ。26日には信州大の学生の早朝練習に参加。「生涯スポーツを楽しむ一市民。大会とかには出ない」と笑った。

 ≪五輪という舞台「利用しないで」≫小平さんは4大会連続出場し、金1、銀2のメダルを獲得した五輪について「スポーツをする人たちにとっても、それを支える人たちにとっても、それを見る人たちにとってもいいものであってほしい」と今後も最高の舞台であることを願った。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件に心を痛めており「私も4回の五輪を経験して成長させてもらったので、それを利用されたくない思いはある。支えてくれる人たちが真摯(しんし)にスポーツと向き合ってくれることをただただ願っています」と複雑な胸中を口にした。

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2022年10月28日のニュース