二所ノ関親方、どうだい!東大生 稽古見学企画で序ノ口Vの愛弟子に10戦10勝

[ 2022年8月13日 05:05 ]

東大生の前で高橋を圧倒する二所ノ関親方(右)
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 大相撲の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が迫力満点の申し合い稽古で東大生の度肝を抜いた。12日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で、7月の名古屋場所で序ノ口優勝した高橋(23)相手に10戦全勝。吉本興業とのコラボ企画で稽古見学した東大生の前で健在ぶりを発揮した。

 東大生6人が真剣なまなざしを注ぐ前で二所ノ関親方が久々にまわし姿を公開した。引退して3年以上がたっても愛弟子の前で仁王立ち。「横綱・稀勢の里」は健在だった。

 申し合いの相手に指名したのは昨年度の日体大主将で、名古屋場所で序ノ口優勝した高橋。「(明日の)新聞に載りたいか?」と聞くと「載りたいです」と即答したという。

 高橋は右四つの形を持っているが、現役時代に左四つが得意だった師匠の前では自分の形をつくれない。逆に師匠は左を差し込んでの寄り、右上手からの投げで圧倒。10連勝で貫禄を示した元横綱は「体が動く限り稽古して。重みとか、体が感じないと強くならない」と弟子とともに精進していく構えを見せた。

 吉本興業と東大のコラボ企画「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」の一環で訪れた東大生も元横綱の迫力満点の稽古に「圧倒されました」と驚きを隠せない様子。課外活動で中学生にバレーボールを教えているという学生は「親方の声かけに感銘を受けた。厳しさと優しさのコンビネーションを感じた」など指導法にも興味を示した。稽古後には「弟子と師匠とのすり合わせが大事だと思うのですが」と質問された二所ノ関親方は「どんな家も土台がしっかりしていないとつくれない。基礎運動はつまらないけど、そこを理解させることが大事」と押し通した信念を強調した。

 田子ノ浦部屋から独立して1年。茨城県阿見町に部屋を構えて最初の場所だった名古屋では18人中13人が勝ち越した。弟子も順調に育っていく中、「いろんな業種の意見を聞くのは勉強になります。力士との意見交換もできればスキルも上がる」と斬新なコラボ企画を前向きに受け止めた。

 《昨年3月プロジェクト始動 ついに実現》東大の体験学習プログラムに吉本興業ホールディングス株式会社が参画し「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」が昨年3月にスタート。その一環として、東大相撲部出身の社員が企画した「相撲部屋体験入門」が二所ノ関部屋で実現した。今後は土俵築体験や秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)に学生を招待することなども計画されている。また、同企画では部屋のある阿見町の地域創生のアイデアなども提供していく。

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2022年8月13日のニュース