【二所ノ関親方 真眼】照ノ富士 絶妙な箇所抱え込んだ見事な攻め

[ 2022年5月10日 05:30 ]

大相撲夏場所2日目 ( 2022年5月9日    東京・両国国技館 )

小手投げで高安を破る照ノ富士(上)(撮影・西海 健太郎)
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 戦前の予想通り「我慢比べ」になって、高安を動かせた照ノ富士が我慢勝ちした。実力者をねじ伏せた小手投げに照ノ富士の強さを感じました。ポイントは右腕の位置です。まさにそこ、という絶妙な箇所を抱え込んで相手得意の左を完全に殺しました。あの状態では下半身の力が、がくんと抜けてしまいどんな力士でもお手上げになる。自分の特性を十分生かした、横綱にしかできない芸当。うまさと力強さを兼ね備えた、見事な攻めでした。

 休場明けの初日は感覚がつかめないことが多いうえに苦手としている突き押しが相手。照ノ富士にとっても過酷な条件でしたが、ひとつ白星を手にしたことで状況は好転するはずです。とにかく右でも左でも差したい。指の先でも相手の脇の下に入ることができれば勝率は高くなるでしょう。離れる時間が長くなれば足にも負担がかかってくる。早く差し込む意識を徹底することが復活への近道です。(元横綱・稀勢の里)

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2022年5月10日のニュース