藤田雄大 妻の故郷佐賀から目指す「熱気球世界一」もう一度

[ 2022年5月10日 09:31 ]

2度目の世界一と競技の普及を目指す藤田
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 佐賀県に日本の熱気球競技を引っ張る選手がいる。藤田雄大(35)は2014年にブラジルで開催された「熱気球世界選手権」を日本人で初めて制覇。4度の日本選手権優勝など輝かしい実績を誇る。2度目の世界一と競技普及を目指す藤田に話を聞いた。

 藤田は佐賀、栃木で熱気球の練習を積んでいる。佐賀は妻の故郷で11月には「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催されている。栃木にはスカイスポーツのメッカである渡良瀬遊水地があり、熱気球を一年中飛ばせる。「世界をもう一回獲りたい。何度でも獲りたい」。また世界一の景色が見るために競技に打ち込んでいる。

 熱気球はバーナーで空気を熱し、外気と比べて比重が軽くなることで生じる浮力で浮揚する。競技では上空から小さな砂袋のマーカー(約70グラム)を指定された目標地点に落として、マーカーと目標との距離を競う。藤田は幼少の頃から父の姿を見て、熱気球パイロットに憧れた。

 父・昌彦さんは2度の日本選手権優勝、一年をかけ戦う熱気球ホンダグランプリを3連覇。“世界の藤田”の異名を取った。少年時代には父の練習によくついて行った。大会で成績を残し、表彰される父を見て「自分も競技をやってみたい」と思うようになったという。

 18歳でパイロットのライセンスを取得すると、2008年には日本選手権で最年少優勝するなど、順調にステップアップした。14年には父も成し遂げられなかった熱気球世界選手権を日本人で初めて制覇。「表彰式でおやじが泣いていたのを覚えています」と感慨深げに振り返る。

 世界の頂点に立ったが、「もっと自分よりうまい選手はいる。挑戦していきたい」と探究心を持って練習している。大切にしているのは目の感覚だ。「上から見ると凄く近く見えていても実際は(目標から)離れていたりすることがある」。自宅では1階に目標物を置き、2階のベランダからいかにターゲットの近くに投げるかを繰り返す。橋を利用した練習では落下地点に人を配置し、サポートを受けながら投下することもある。

 5日まで開催されていた熱気球ホンダグランプリの今年初戦「佐久バルーンフェスティバル2022」で優勝する好スタートを切った。今後は9月中旬の世界選手権出場に向け海外遠征を計画中。2度目の世界一のタイトルを引っさげて凱旋するつもりだ。

≪普及活動にも力≫

 藤田は熱気球競技の普及活動にも力を入れている。

 昨年3月には熊本県阿蘇市でイベントを開催した。16年の熊本地震と20年の九州豪雨の被災者を勇気づけることも目的に熊本県のPRキャラクター「くまモン」の形をした熱気球を夫婦で製作。体験飛行は予約でいっぱいの人気だった。「くまモンをきっかけに気球に興味を持ってもらいたかった。僕らが期待している以上にお声をかけていただいた」と感謝する。

 また、熱気球の基礎知識を知ることができるオンラインのセミナーも定期的に開催中している。全国各地で開催されている熱気球のイベントにも積極的に参加している。
 
 ◇藤田 雄大(ふじた・ゆうだい)1987年(昭62)5月7日生まれ、栃木県出身の35歳。18歳で熱気球パイロットライセンス取得。07年に日本選手権に初参加して2位。08年に世界選手権に日本で初めて大学生で日本代表選手に選ばれ参加。同年、日本選手権で最年少優勝。12年世界選手権で3位で日本人初のメダルを獲得。1メートル83。

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