高安 5年ぶり8連勝で中日勝ち越し 18年目の初賜杯見えてきた

[ 2022年3月21日 05:30 ]

大相撲春場所8日目 ( 2022年3月20日    エディオンアリーナ大阪 )

若元春を上手投げで破る高安(右)(撮影・後藤 正志)
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 平幕の高安が若元春を上手投げで退け、17年春場所以来、5年ぶりとなる初日から8連勝で中日勝ち越しを決めた。05年春場所の初土俵から、苦節17年。史上3番目のスロー記録となる101場所目の初賜杯がうっすら見えてきた。新大関の御嶽海、新関脇の若隆景、平幕の琴ノ若がそろって勝ち、3力士が高安を1差で追う構図は変わらない。

 全勝ターンした高安は「先手を取って攻めることができた。前に出て押していく、考えたとおりの相撲です」と胸を張った。若元春とは相四つ。立ち合いすぐ、左四つに組んだ。右おっつけで相手の下手を何度も切りながら、じわじわ圧力を加える。右上手で一枚まわしをつかむと、コマのように回転し相手を振り回して転がした。

 初日から8連勝は関脇だった17年春場所以来だ。「(5年前は)部屋の横綱と一緒に連勝していたので。覚えています」。この時は兄弟子の新横綱・稀勢の里が13勝2敗で昇進場所Vを飾った。自身も10連勝まで伸ばし、最終的に12勝3敗で同年夏場所後の大関昇進につなげた。

 当時は兄弟子と猛稽古で鍛えられた。引退後も部屋付き親方として熱心に指導してくれた兄弟子は昨年8月に独立。稽古で胸を出してもらえない。所属部屋に関取は自身だけだが「力量差はありますが、いろんなタイプがいるので工夫して番数をこなし、しっかり稽古できてます」。この日の取組は47秒9とやや長め。今場所は速い攻めが目立っており「疲れを残さず、いい状態で臨めています」と手応え十分で後半戦に突入する。

 05年春場所初土俵から所要101場所で初めて賜杯を抱けば、12年夏場所の旭天鵬(121場所)、00年春場所の貴闘力(103場所)に次いで史上3番目のスロー記録となる。横綱不在となった今場所。“春”は訪れようとしている。

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2022年3月21日のニュース