フィギュア・鍵山が自身初、史上3人目のフリー200点超え 日本3位で団体初メダルに前進、7日決着

[ 2022年2月7日 05:30 ]

北京冬季五輪第3日・フィギュアスケート団体 ( 2022年2月6日    首都体育館 )

フィギュア団体戦の男子フリー、演技を終えガッツポーズする鍵山(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート団体戦の2日目が行われ、男子フリーは日本の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ・星槎)が自己ベストの208.94点をマークして1位になった。200点超えは羽生結弦(ANA)、ネーサン・チェン(米国)に続いて3人目。4回転ループを試合で初成功させるなど、鮮烈な五輪デビューを果たした。女子ショートプログラム(SP)の樋口新葉(21=明大)は2位となり、日本は合計39点の3位で、初のメダル獲得へ前進。7日に最終日を迎え、アイスダンスのフリーダンス、ペアと女子のフリーが行われ順位が決まる。

 演技を終えた鍵山は、静かにうなずいた。手応えを胸に会場を見渡し、リンク脇で待つ日本のチームメートが視界に入ると、ガッツポーズをしながら小走りした。「みんなも一緒に喜んでくれて、さらにうれしく感じられた。“これが団体戦”という雰囲気を楽しめました」。初めての五輪でも、18歳には余裕があった。

 「6分間練習の時から、謎の自信が…。緊張を全く感じなくて。せっかくの五輪だから悔いは残したくなかった。今日は心の底から楽しく過ごせました」

 フリー曲「グラディエーター」に乗って、冒頭の4回転サルコーを成功。続く4回転ループはやや着氷が乱れたが、GOE(出来栄え評価)でわずかにプラスを引き出して自身初の成功となった。最後まで集中力は切れることなく、4回転3種4本を含む全てのジャンプを決めて自己ベストを11.45点更新する208.94点。団体戦の男女フリーで日本人選手がトップに立つのは、初となった。

 昨年10月に臨んだアジアンオープントロフィーと同じ首都体育館。コーチであり、自身も2度の五輪出場経験がある父・正和氏から「戻ってこられて良かったな」と言葉を掛けられた。指導を仰ぎ、二人三脚で歩んできた道のり。ただ、より高みを目指すために父に志願して組み込んだのが、昨年末の全日本選手権では封印していた4回転ループだった。「とにかく僕がやりたかった」。必死の練習を経て、たどり着いた舞台。「悔いのないように全力でやってこい」と父に送り出され、迷いなく滑りきった。

 「新葉ちゃん(樋口)が良い演技をしたのを点数で確認して、勇気をもらったのと“頑張らなきゃ”という気持ちが芽生えた。これから出る選手を全力で応援したい」

 メダル圏内の3位につけ、7日に最終日を迎える。4位カナダとは9点差。日本にとって史上初の表彰台は近づいている。

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2022年2月7日のニュース