最下位からの逆転ゴルフ人生あるか 女子プロテスト合格者の傾向が何とも波乱万丈

[ 2022年2月2日 09:00 ]

服部道子のプロテストトップ合格を報じる1991年8月30日付の本紙終面
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 今季の日本女子プロゴルフツアーは来月3日開幕のダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)から始まる。残すところ1カ月。新型コロナウイルスの感染急拡大により予定通りスタートが切れるのか、不透明だが、ここでは過去の女子プロテスト合格者の傾向を見ながら新しいスター候補生について書いてみたい。

 まず最初に写真を見ていただきたい。女子プロテスト最終日の模様を掲載した91年8月30日付の本紙終面である。

 日本女子プロゴルフ協会の二瓶綾子会長(当時)と笑顔で餅つきをしているのはトップ合格を果たした服部道子。服部はアマチュア時代に日本女子アマ選手権を3度制し、85年には日本人として初めて全米女子アマ選手権で優勝、87年には全米女子オープンのベストアマにも輝いた。まさに鳴り物入りでのプロ入り。服部はこの後、国内ツアーで18勝し、98年には賞金女王のタイトルを獲得。近年は解説者として活躍し、昨年の東京五輪では日本女子代表のコーチを務めた。

 実に輝かしい経歴だが、だからこそ、服部のような例はまれだとも言える。

 ここでもう一度プロテストに話を戻そう。88年のツアー制度施行以降、トップ合格した者のうちレギュラーツアーで優勝したのは14人。そのうち賞金女王にまで上り詰めたのは服部道子一人しかいない。意外なのは滑り込み組の活躍。88年の平瀬真由美、01年の古閑美保、18年の稲見萌寧はその年の最下位合格ながら賞金女王の栄冠を手にしている。ちなみに17年最下位の小祝さくらは昨季5勝を挙げて賞金ランク3位。19年の最下位組では西郷真央が昨季ツアー未勝利ながら賞金ランク4位。笹生優花は昨季国内ツアーで2勝し、海外メジャーの全米女子オープンを制した。国内だけでなく米ツアーでも賞金女王を狙える実力者がいる。

 昨年はコロナ禍により20年度分も含めて2度、プロテストが実施された。トップ合格は20年度が尾崎将司門下の佐久間朱莉、21年度が21年の日本女子アマを制した尾関彩美悠。最下位合格は20年度が桑木志帆、東風花、奥山友梨、21年度は成沢祐美、宮沢美咲。先達のような最下位からの逆転ゴルフ人生があるのか。注目したい。(ゴルフ担当・石川 勝己)

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2022年2月2日のニュース