YOSHIKI フィギュア五輪代表・河辺にエール「頑張っていれば奇跡は起きる」、フリーに自身の曲使用

[ 2022年1月29日 06:05 ]

「X JAPAN」のYOSHIKI
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 フィギュアスケート女子で北京五輪代表の河辺愛菜(まな、17=木下アカデミー)に、ロックなエールが届いた。フリーで使用する「Miracle」を作詞作曲したX JAPANのYOSHIKI(年齢非公表)が五輪開幕を前にスポニチ本紙の単独インタビューに対応。曲に込めた意味、フィギュアや五輪への思いなどを熱く語った。

 ――河辺選手を初めて知ったのは?
 「僕のSNSなどで、以前からファンの方が河辺愛菜さんのことを語っていて、最初はそこで目に留まったんです。昨年12月、移動中に車の後部座席でテレビを見ていたんですけど、偶然にも河辺さんが滑っていた。それが全日本選手権でした。僕が作った曲で滑ってくれている姿を見て、本当に感動しました」

 ――フリーで使用する「Miracle」。曲に込めたものは?
 「タイトルの通り“奇跡は起こせる”という思いを込めました。詞はイタリア語で、オペラに近い、クラシックの王道という感じです。フィギュアスケートはクラシックの曲を使うことが多いので“いつか行き着く場所に行き着いてくれたな”と感じています」

 ――「恐怖を壊せ 解き放つために」などといった意味の歌詞がある。
 「自分の過去を壊して、前に進もうと。そういった意味を込めた楽曲を使ってくれてうれしいし、チャンスを生かして五輪出場を決めた。素晴らしいですよね。振り返ると、自分自身の人生も紆余(うよ)曲折があったけど、今、こうやって海外で活動をできている。頑張っていれば、奇跡は起きるんです」

 ――紆余曲折とは?
 「僕にとっては、メンバーの死もあった。いろいろなことがあった中で、自分自身、海外に向かって(活動して)いこうという時にこの曲を書いた。もちろん、自分に対するメッセージもあったし、“奇跡を起こす”という思いですよね。自分に打ち勝つというところでは、フィギュアスケートとミュージシャンには通じるものがあると思います」

 ――フィギュアや冬季五輪はいつから見ていた?
 「五輪を見るのは好きで、競技の中でもフィギュアスケートは好きなんです。興味を持ち始めたのは、30年前ぐらいに伊藤みどりさんが僕の楽曲を使って滑ってくれていた頃から。凄く厳しいトレーニングを積みつつ、本番では魅せることも大事。それはミュージシャンにも似ていて…。僕たちも、裏では血のにじむような努力をしながら、華やかな場所で演じる。そういう姿に共感します。平昌五輪で羽生結弦選手が2度目の金メダルを獲った時は、アメリカで見ていて感動しました」

 ――ご自身のスポーツ歴は?
 「サッカー、柔道、空手、バレエダンス。サッカーは中高で、柔道は高校。白帯ですけどね(笑い)。でも、精神的な部分も含めてスポーツから学ぶことは多い。僕のドラムは、スポーツをしている感覚でもあって、健康にも気を使わないと叩けないですから」

 ――河辺選手は17歳。ご自身の17歳の頃はどんな感じだった?
 「いやあ、人にはあまり語れないような…。ミュージシャンとしてピアノはやっていましたけど、17歳の時の僕は、こうやって海外で活動しているとは想像できなかった。でも“夢はかなう”ということはずっと信じていたから、ここまで来られた。当時、思い描いていた夢はロックスター。中学と高校の卒業文集でも、将来の夢に“ロックスター”と書いていました。そうしたら、中学の先生からは“ふざけて書くな”と怒られましたけどね(笑い)」

 ――最後に、大舞台に挑む河辺選手にエールを。
 「まず、17歳で世界の舞台に立つというのは凄い。それだけでも凄いことだけど、僕は、努力をすれば夢はかなうと思っている。金メダルに向けて頑張ってほしいです」

 ≪18年11月リリース≫▽Miracle YOSHIKIが作詞作曲し、サラ・ブライトマンが歌う楽曲で、18年11月にリリースされた。河辺は20~21年シーズンからフリー曲として使用し、今季も継続。演技冒頭にはトリプルアクセルを組み込んでいる。

 【フィギュア界の主な楽曲使用者】

 ☆伊藤みどり X(現X JAPAN)が89年にリリースしたアルバムに収録された「ROSE OF PAIN」(作詞作曲YOSHIKI)を93年に世界プロ選手権で使用。冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を決めた。

 ☆浅田舞 93年にYOSHIKIが作曲してリリースした「Amethyst」を05~06年のフリー曲として使用。演奏はロンドン・フィルハーモニック・オーケストラ。

 ☆村上大介 天皇陛下即位10年奉祝曲として99年にYOSHIKIが作曲した「Anniversary」を15~16年シーズンのフリー曲として使用。

 ≪8月に3年ぶりのディナーショー≫YOSHIKIは8月11~28日に3年ぶりとなるディナーショーを開催する。14年から恒例化させてきたが、新型コロナの影響を受けて2年連続で断念してきた経緯がある。この間に体を鍛えており「人生で一番いい体をしている。体力も今までで一番ある」と自信を持って挑む。

 ◇YOSHIKI(よしき)生年月日、出身地非公表。X JAPANのリーダーでドラム、ピアノを担当。99年には皇居前広場で天皇陛下即位10年の奉祝曲「Anniversary」をピアノ演奏。18年のNHK紅白歌合戦では史上初めて紅、白の両組で出場を果たす。20年に国立国際医療研究センターに1000万円を寄付。昨年3月に紺綬褒章を受章した。

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