×

御嶽海の「絶対距離感」 相手を苦しめる体の寄せは「生まれ持ってのもの」

[ 2022年1月25日 05:30 ]

大関昇進 御嶽海 3つの武器(上)

13日目、絶妙な「距離感」で体を寄せて阿炎(左)を押し出した御嶽海 
Photo By スポニチ

 大関候補と言われ続けた御嶽海にようやく春が訪れた。関脇で優勝3回。三役在位28場所の実力者の強さを3回にわたって分析する。

 昨年、女子ゴルフ界では「絶対距離感」という言葉が浸透した。自分の思った距離を打てる卓越した技術。正確なショット力を武器に賞金女王に輝いた稲見萌寧の代名詞になった。

 大相撲で「距離感」を生命線としているのが御嶽海だ。現役時代、差し身のうまさで定評があった清見潟親方(元関脇・栃煌山)と鶴竜親方(元横綱)がそろって舌を巻く。「体の寄せ方が抜群にうまい」「あの間合いに入られては防戦一方になる」。近すぎても、遠くになりすぎてもダメ。いつの間にか相手が対応しきれない空間に体を寄せ、一気に前に出る。寸分の狂いもない御嶽海の「距離感」は天下一品だ。しかも低い姿勢を保つから対戦相手は上体が起こされ気味になり、「ついついはたいてしまう体勢にされる」(鶴竜親方)という。優勝を左右する大一番となった初場所13日目の阿炎戦。手足が長く懐の深い阿炎が、御嶽海との距離感に苦しんだ。得意の突っ張りが上突っ張りになり、自分の距離に入り込まれ一方的に押し出されたのだ。

 稲見の「距離感」は猛練習で培ったものだが、御嶽海は違う。鶴竜親方はこう話す。「あの寄せ方は稽古や鍛錬でものにするものではない。生まれ持ってのもの」。御嶽海がセンスが良いと言われるゆえんでもある。だが、ライバルがうらやむ特技を手にしても、生かす基礎がなければ大成しない。その原点は故郷の木曽の地で培われていた。(特別取材班)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2022年1月25日のニュース