小池、神長がショートトラック五輪ラスト切符 男子は末っ子ジャパンでメダル獲り

[ 2021年12月20日 05:30 ]

スピードスケート・ショートトラック 全日本選手権最終日 ( 2021年12月19日    丸善インテック大阪プールアイススケート場 )

北京五輪代表に決まった小池(手前)の男子1000メートル準々決勝
Photo By 共同

 男女の1000メートルと3000メートルが行われ、ともに総合3位だった男子の小池克典(20=全日空商事)、女子の神長汐音(22=全日空商事)が残り1枠の北京五輪代表に決まった。日本スケート連盟はリレー種目のメンバー構成を重視し、昨年と今年の全日本距離別選手権も含めた選考用ランキングでも上位だった小池と神長を選出した。これで男子4人、女子3人の出場選手が出そろった。

 最後の1枠に小池が滑り込んだ。1000メートルは5位と振るわなかったものの、前日の500メートルを制覇。大会後の閉会式で五輪出場選手として名前を呼ばれ「今日のレースはふがいなくて不安が大きかった。呼ばれた瞬間、凄いうれしかった」と笑みを浮かべた。

 初めて手にした五輪切符。小学1年で競技を始めた頃から「五輪で金メダルを獲りたい」と思っていた。憧れは競泳男子で2大会連続2冠の北島康介。「格好良いな。そういうふうになりたいな」と刺激を受けた。

 19~20年シーズンに初めてW杯に出場し、世界との差を痛感。その屈辱をバネに成長を続け、渡辺啓太(阪南大職)らとの五輪代表争いを制した。スプリント力を評価する日本代表の長島圭一郎ヘッドコーチは「(男子の)4人の中で一番、天才的な才能がある」と期待を寄せた。

 既に内定していた吉永、菊池、宮田と4人で男子5000メートルリレーに臨む。最年長で24歳の菊池は「みんな末っ子なんで甘え上手なのかな」と冗談交じりに意外な共通項を明かした。12歳上の兄がいる吉永、2人の姉がいる宮田と小池、そして今大会に一緒に出場した兄・哲平と姉がいる菊池。平均年齢21歳というメンバー構成で、4人の中で唯一、2大会連続の五輪出場となる吉永はチーム力に自信を示した。

 「年齢層が若くて、わだかまりや謙遜もなく(みんなで)討論し合える。良い影響を与え合える」

 98年の長野五輪以来、メダルから遠ざかっている日本のショートトラック界。強化に力を注いできた男子リレーは末っ子ジャパンで挑む。

 ◇小池 克典(こいけ・かつのり)2000年(平12)12月30日生まれ、長野県出身の20歳。長野・岡谷南高出。小学1年で競技を始め、18年には世界ジュニア選手権の3000メートルリレーで優勝。スピードスケートの小平奈緒(相沢病院)と同郷。趣味はヨガ。1メートル65。

 《神長、高3で出場の平昌は30位》最後に代表決定の名前が読み上げられた女子の神長は「ずっとドキドキしながら待っていた。凄くうれしかった」と喜びを口にした。他を寄せ付けない圧倒的なスピードで初日の500メートルを大会新で制し、2大会連続の代表入りを果たした。高校3年生で出場した平昌では1500メートルで30位に終わったが「今回は(五輪に)行きたい気持ちが強かった。勝つイメージもできている」と自信たっぷりに言った。

 ◇神長 汐音(かみなが・しおね)1999年(平11)9月26日生まれ、長野県出身の22歳。ジュニア時代から頭角を現し、17年2月のW杯第6戦では1000メートルで2位。長野・小海高3年時に18年平昌五輪に出場した。女子500メートルの日本記録保持者。1メートル64。

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