近大 9季ぶり大学選手権決定 “伝家の宝刀”敵陣でのスクラムからトライ連発 全国でも押しまくる

[ 2021年11月22日 05:30 ]

ムロオ関西大学ラグビー   近大43-14摂南大 ( 2021年11月21日    ヤンマーフィールド長居 )

<近大・摂南大>前半、2本目のトライを決める近大・植田(撮影・後藤 正志)
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 近大が摂南大から7トライを挙げて43―14で圧倒した。プロップ紙森陽太(4年)を軸としたスクラムで完全に優位に立った。4トライ以上のボーナス1点を獲得し、5勝1敗で通算勝ち点を24に伸ばし、3位から2位に浮上した。自力Vは消滅しているものの、4位以内が確定し、9季ぶりの全国大学選手権出場が決まった。

 近大には鉄板の形がある。敵陣でのスクラムとなれば、強烈な押しで相手陣形をズタズタにし、その隙に、バックスが仕留める。前半6分の先制の1本も、同17分の中押しの1本も、同38分のハーフタイム前の締めの1本も、全て同じパターンでWTB植田がトライをした。

 「スクラムで反則を取れたので、バックスにいい球出しができた。チームにもいい影響を与えられた」

 プロップ紙森は表情を一つも変えず、摂南大戦の成果を口にした。大阪桐蔭高で高校日本代表、近大で20歳以下日本代表に選ばれた逸材。リンゴを潰すことなど朝飯前の握力83キロの怪力で、国際大会でも「スクラムで押し返された経験はない」と言うほど体が強い。

 今季はさらにパワーアップ。筋トレに加え、タンパク質が豊富な鶏の胸肉を積極的に摂取。「筋肉をデカくすることに取り組んだ」。2キロ増の107キロとなり分厚さが増した。

 関西初制覇の可能性を残すものの、自力Vが消滅しているだけに、視線は次のステージに向く。9季ぶりの全国切符を決め、「スクラムで関東を制圧したい」と宣言した。中島茂総監督は紙森の入学を機に、スクラム強化に再びかじを切った。今や攻撃の起点となり、「4年かけて積み上げた」と信頼を置く。全国でも押しまくる。(倉世古 洋平)

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2021年11月22日のニュース