八村&渡辺に続け!日本バスケ界の新星・富永がNBAへの第一歩 NCAA1部ネブラスカ大初陣で3P

[ 2021年11月11日 05:30 ]

全米大学体育協会1部   ネブラスカ大74-76西イリノイ大 ( 2021年11月9日 )

NCAA開幕戦に出場したネブラスカ大・富永(右)(AP)
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 バスケットボール男子で今季から全米大学体育協会(NCAA)1部ネブラスカ大に所属する富永啓生(20)が9日、新天地初の公式戦となる西イリノイ大戦に臨んだ。ベンチスタートで、約18分出場で3得点、3スチールを記録。得意の3点シュートは5本打って1本のみの成功に終わり試合も74―75で敗れたが、目標のNBA入りへの一歩を踏み出した。

 いきなり名刺代わりのプレーを見せた。最初の出番は前半5分半すぎ。富永はコートに立った直後にスチールから自らドリブルで運んで、3点シュートを沈めた。NBAでMVP2度のステフィン・カリー(ウォリアーズ)のように、どこからでも3点シュートを射抜くことから「和製カリー」と呼ばれる実力の片りんを示し、観客を沸かせた。

 「気迫で守備からエネルギーを出し、チームに勢いをつけたい」との言葉通り、精力的な守備が光ったが、得意の3点シュートは5本放って成功はこの1本だけ。「長くボールが持てない時間が続いて感覚を失ってしまった」と悔しがった。

 愛知・桜丘高卒業後に渡米し、昨季まで2シーズンはレンジャー短大に所属。成功率48・3%を誇った3点シュートなどが認められ、今季から編入した。ラプターズの渡辺雄太(ジョージ・ワシントン大出身)もウィザーズの八村塁(ゴンザガ大出身)もNCAA1部で活躍してNBA入りしている。強豪集まるビッグ10カンファレンスでの挑戦を勝ち取り「ネブラスカ大でエース的な存在になって、NBAドラフトにかかることが目標」と意欲を見せる。

 東京五輪は3人制で出場し、8強入りに貢献した。東京五輪後に5人制男子日本代表監督に就任したホーバス監督も注目する逸材は米大学最高峰の舞台では「簡単に打たせてもらえない。もっと成長して、確率良く決めていかないと」と課題も口にした。今季の目標はネブラスカ大で14年以来となる全米大学選手権(NCAAトーナメント)進出。昨季チームはビッグ10カンファレンスで最下位に沈んでいるが「一試合一試合、気持ちで負けずにやり続けるだけ。次の試合ではもっと決めていこうと思う」と負けん気の強さをのぞかせた。

 ◇富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日生まれ、愛知県出身の20歳。父は2メートル11の長身で98年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。岩成台中、桜丘高を経て、19年にレンジャー短大に進学。今季からネブラスカ大に編入。東京五輪は3人制で出場し、8試合プレーして、全選手中6位の通算55得点を記録。1メートル88、80キロ。左利きのシューティングガード。

 ▽ネブラスカ大 米国中西部のネブラスカ州リンカーンに位置する。学生数約2万6000人の州立大。1200以上の大学が加盟するNCAAは3部制で、同大は最上位の1部(約350校)。所属するビッグ10カンファレンスはミシガン大、インディアナ大など強豪ぞろいで、全米屈指のレベル。全米大学選手権には過去7度出場し、全て初戦で敗退している。主なOBはレーカーズなどで活躍したタロン・ルーら。

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2021年11月11日のニュース