立命大が6季ぶりの聖地へ大勝発進 「アニマルリッツ」の復活に手を差し伸べる2人のレジェンド

[ 2021年10月3日 05:30 ]

関西学生アメリカンフットボール1部リーグAブロック   立命大79―0桃山学院大 ( 2021年10月2日    王子スタジアム )

<立命大・桃山学院大> 1Q、立命大・元古(中央下)が走り込みタッチダウンを決め13-0とする (撮影・亀井 直樹)
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 どれだけ点差が開いても、立命大は攻撃の手を緩めない。エンジのジャージーは、時計の表示が「0」になるまでボールを追い続けた。79得点の大勝劇。6シーズンぶりとなる甲子園ボウルへの思いが、フルスロットルの開幕戦にこめられていた。

 「昨年のレギュラーが大量に抜け、自信を失っていたけど、この試合が自信になったかな、という気がします」

 古橋由一郎監督は安堵のトーンを少し言葉に含めた。久しく続くコロナ禍で、春季シーズンで消化できたのは、わずか2試合。不足した試合勘を補うため、レギュラークラスの出場時間を増やして対応した。期待に応え、RB元古燿介(3年)が2TDラン。エースQB野沢研(4年)も、ランでパスで2本のTDを決め、着実に戦力アップは進んでいる。

 「アニマル・リッツ」の復活へ、頼もしい「戦力」も加わった。02、03年のライスボウルを連覇した時のエースQB、高田鉄男氏(40)が今年2月、パートタイムのコーチに就任。月に2度程度、勤務地の東京から滋賀県草津市のフィールドに足を運び、指導している。「僕は何もしてません。“調子はどや”という程度」と謙遜するものの、勝者のメンタリティーは「打倒・関学大」に欠かせないスパイスだ。

 さらに開幕1週間前の練習には、94年に初優勝した時、ディフェンスのリーダー的存在だった河口正史氏(48)がチームを訪問。「練習がぬるい」と指摘し、雰囲気が一気に引き締まった。
 「ここ数年も、(関学大とは)紙一重の差。心構えとか、そういう部分を伝えて、その差をどうにかできれば」

 高田コーチは腕をぶす。「オール立命大」で目指す完全復活ロード。宿敵との対峙が予想される「11・14」を目指し、静かに地力をつけていく。

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