大坂なおみ、3カ月ぶり会見で涙 報道陣との関係やハイチ地震に関する質問受け…一時中断し4分後に再開

[ 2021年8月18日 05:30 ]

テニス ウエスタン・アンド・サザン・オープン ( 2021年8月16日    米オハイオ州シンシナティ )

テニスのウエスタン・アンド・サザン・オープンのオンライン記者会見に臨む大坂
Photo By 共同

 女子シングルスに2回戦から登場する世界ランキング2位の大坂なおみ(23=日清食品)がオンラインの記者会見に臨み、質疑の途中で泣きだす一幕があった。イタリア国際開幕前の5月9日以来約3カ月ぶりの会見で、報道陣との関係に関する質問を受けて感情が乱れた。3回戦で敗退した東京五輪後の初戦は世界24位のコリ・ガウフ(17=米国)と同73位の謝淑薇(シャシュクビ)(35=台湾)の勝者と対戦する。

 シビアな質問を受け、大坂の表情が一変した。約3カ月ぶりの会見。序盤は聖火の最終点火者を務めた東京五輪の感想などを笑顔で語っていたが、地元シンシナティの記者から「あなたは会見に応じたがらないが、メディアに扱われることで恩恵を受けている。そのバランスをどう考えているか?」と問われると、黙り込んだ。

 司会者から「次の質問に移りますか?」と聞かれたが「もう一度質問をお願いします」と自ら要求。質問が「会見が好きではないとのことなので、よりよい方法を探りたい」と穏やかな内容に変わると「自分のツイートや発言が注目されることは、どうすることもできない。どのようにバランスを保てばいいのかは分からないし、理解しようとしている」と返答した。涙をこらえるようなしぐさを見せる中、別の記者から父親の出身地ハイチで発生した地震に関する質問が飛ぶと、涙があふれた。司会者の判断で、会見は一時中断。約4分後に再開された。

 大坂は5月の全仏オープンの1回戦勝利後に記者会見に応じず、18年全米オープン以降うつに悩まされていることを告白。そのまま大会を棄権し、東京五輪で約2カ月ぶりに試合に復帰していた。今大会は2年連続3度目の優勝が懸かる全米の前哨戦。「もちろん勝ちたい。手ごわい相手ばかりなので、一試合ずつベストを尽くす」と意気込んでいるが、試合前から精神面の不安を露呈した形だ。

 メンタルヘルスの問題と、どう向き合っていくのか。周囲も含めて明確な答えを出せないまま、シーズンは進んでいる。

 【大坂と会見】▽5月27日 ツイッターで3日後に開幕を控えた全仏オープンで取材に応じないことを表明し「アスリートの心の健康状態が無視されている」と説明。

 ▽同30日 全仏1回戦勝利後の会見を拒否。罰金1万5000ドル(約165万円)を科された。4大大会の主催者は違反が続けば、全仏失格、他の4大大会で出場停止となる可能性を通告する異例の共同声明。

 ▽同31日 ツイッターで全仏の棄権を表明。「18年の全米オープン以降、長い間うつに悩まされてきたことが真実」と告白した。

 ▽6月17日 6月28日開幕のウィンブルドン選手権の欠場が決定。

 ▽7月6日 マネジメント会社を通してコメントを出し、東京五輪出場を表明。

 ▽同27日 東京五輪女子シングルス3回戦で世界42位のボンドロウソバ(チェコ)にストレート負け。試合後は通過が義務付けられている取材エリアを通らなかった。日本代表の土橋監督から呼び戻されて、涙ながらに取材対応。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月18日のニュース