柔道男子100キロ超級・原沢 五輪3連覇狙うリネールと別のヤマ、2月にケガの情報も

[ 2021年7月23日 05:30 ]

5年前のリベンジを誓う男子100キロ超級の原沢
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 東京五輪の柔道の組み合わせ抽選会が22日、日本武道館で行われ、男子100キロ超級で16年リオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜(29=百五銀行)は、同金メダリストで3連覇を狙うテディ・リネール(32=フランス)と決勝で当たる組み合わせとなった。前回の東京五輪から57年。武道の聖地に帰ってくるお家芸で、原沢が5年前のリベンジとともに日本の悲願をかなえる。

 個人戦全14階級の大トリで行われた男子100キロ超級の抽選。第2シードの原沢は第1シードのバシャエフ(ロシア)や第3シードで19年世界王者のクルパレク(チェコ)らと準決勝まで当たらない山に入ることが決まっていたが、現世界ランキング16位のリネールはシード外。初戦で当たる可能性もあった中、最悪のケースは回避された。

 抽選後にオンラインで取材に応じた男子日本代表の井上康生監督は「階級によっては強豪選手がシード外にいるので気になっていた。初戦で当たる可能性があったので原沢、鈴木先生(桂治コーチ)と準備していた」と明かした。同級の出場選手は通常の国際大会や世界選手権よりも少ない22人。精鋭ぞろいで「1回戦から強豪との戦いを視野に入れてきた」と話したが、中でもリネールを強烈に意識していた様子だった。

 気になる情報も入ってきた。22日夜にフランス国内で放送されるドキュメンタリー番組で、リネールが2月に刈り足の右膝じん帯を断裂していることを告白。本人も同日、自身のSNSでケガをした場面を含む番宣映像を投稿した。ただ、6月初旬には畳の上で稽古をする画像も投稿。野村忠宏氏に続く五輪柔道史上2人目の3連覇へ、ライバルを油断させるために三味線を弾いている可能性もある。

 井上監督は「大きなケガという情報は入っていなかった」としながらも、「常に相手が100%の状態でいると思って調整している。原沢の心に隙ができることはない」と断言。リネール以外にも強豪ぞろいの男子最重量級。気持ちを引き締めて頂点を目指すのみだ。

 《一二三は準決で強敵と》男子66キロ級で第4シードの阿部一二三(パーク24)は、勝ち上がれば準々決勝でヨンドンペレンレイ(モンゴル)、準決勝で第1シードのロンバルド(イタリア)、決勝で第2シードのアン・バウル(韓国)と当たる可能性のある組み合わせになった。特にロンバルドとは過去1勝1敗で、勝利した19年世界選手権でも大苦戦した相手。井上監督は「どんな相手でも、頂点に立つには打ち破らないといけない」と語った。
 

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