若隆景 大関連破!耐えた粘った鼻血出た 無観客がもったいない1分激闘制す

[ 2021年5月12日 05:30 ]

大相撲夏場所3日目 ( 2021年5月11日    両国国技館 )

朝乃山(右)を寄り倒す若隆景(撮影・吉田 剛)
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 躍進著しい平幕の若隆景が大関・朝乃山を寄り倒しで破り2日連続で大関を撃破した。相手有利の右四つの体勢になりながらも上手を許さず粘って反撃。鼻から流血する激しい相撲を制した。朝乃山は連敗で1勝2敗となったが、ほかの3大関は勝利。3連勝は21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士、関脇・高安、小結・御嶽海ら6人。4日目からは上限約5000人の観客を入れて実施する。

 返す返すも無観客なのがもったいない。1メートル82、127キロの小兵が演出する59秒7の激闘ストーリー。鼻血も噴き出した。朝乃山の圧力をしのいで、しのいで、そして逆襲。連日の大関撃破に「我慢できたのは良かった。(大関有利な体勢も)こらえるしかないと思った」と粘り抜いた。

 立ち合いから動き回って揺さぶり、もろ差しになって攻め立てた。大関有利の右四つを許し胸が合っても左上手だけは与えなかった。前回の対戦は左上手を取られて完敗。「何もできなかったのでそこだけは意識しました」という。最後はあらん限りの力を振り絞って大関を土俵下へ運び「前に出られたので良かった」と満足顔だ。

 地元・福島市は春場所千秋楽にJR福島駅前でパブリックビューイングを実施。三役昇進がかかる今場所は15日間午後4時から中継映像を流し、若隆景と幕下・若隆元、十両・若元春の「大波3兄弟」に声援を送る。昨年暮れに発足した後援会には法人70社、個人160人が入会。東京都や福岡県からの申し込みもある。後援会事務局は「若隆景関の活躍もあって徐々に増えています。地元以外でも反響があるのはびっくり」と目を細める。

 春場所は西2枚目で10勝をマークしながらも筆頭止まり。番付運には恵まれなかったが、2場所連続2大関を倒すなど勢いは止まらない。祖父・若葉山もたどり着いた小結はもう目前。「一日一番思い切って取って、いい相撲を見せたい」とさらなる奮闘を宣言する。4日目から来場するお客さんの楽しみは増すばかりだ。

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2021年5月12日のニュース