松山こだわりのクラブ 頭の中は365日マスターズ思考「このドライバーでよかった」

[ 2021年4月14日 05:30 ]

緊急連載 メジャー覇者松山【中】

最終日、ティーショットを放つ松山(AP)
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 マスターズで日本人男子史上初のメジャー制覇を果たした松山英樹(29=LEXUS)を支えたものとは何か。松山を高知・明徳義塾高時代から知る住友ゴム工業の安達利也氏(53)、同社でギアを担当する宮野敏一氏(40)の証言から偉業達成に迫る。

 「スリクソンの道具が、世界一じゃないと困るじゃないですか」――。松山は以前、安達氏にこんな言葉を掛けたことがある。本気でメジャー制覇を見据えていたからこそ、ともに戦う契約メーカーにも同じレベルを要求。数年、他社製品を使った時期もあった。一切妥協をしなかった。

 住友ゴム工業のブランド「スリクソン」の1W、ZX5を使うようになったのは昨年8月から。担当の宮野氏は「飛距離はもちろんですけど、プロが重要視したのはスピンだった」と明かす。適度なスピンが入ることで、アイアンのように球を操ることができるからだ。こだわりは細部にも及ぶ。シャープな見た目を求め、黒色のヘッドに宮野氏が「髪の毛一本」単位で銀色のペイントを入れた。

 頭の中には365日、マスターズがあった。米ツアーは世界各地で開催される。ある会場で1Wを振った後に「あ、10番で思いっきりフックが打てる」、別の会場のパー3で240ヤード地点に乗せた時には「これだったら4番いける」とつぶやく。どこにいてもオーガスタ・ナショナルGCの攻略を思い浮かべていた。宮野氏は「マスターズという幹があった」と証言する。

 4月11日の最終日は終盤に2位と2打差。極限状況で迎えた17番の第1打はドロー、最終18番はフェードの球筋でフェアウエーを捉えた。その手にはZX5。宮野氏に電話で「このドライバーでよかった」と伝えた。優勝直後から米国で同社ウェブサイトにアクセスが殺到したという。

 「ドライバーを例に取ると、やっとプロに追いついた。今度は僕らが先を行かないと」と安達氏。クラブは体の一部と言うほどゴルファーにとって大切な存在。世界一になっても、次の勝利に向けてともに進化を続ける。(特別取材班)

 ◇松山英樹のクラブセッティング ▼1W=スリクソン・ZX5(ロフト角9・5度、長さ45・25インチ、硬さTX)▼3W=テーラーメイド・SIM2(15度)▼3U=テーラーメイド・SIM UDI(アイアン型)▼4I~PW=スリクソン・Z―フォージド▼ウエッジ=クリーブランド・RTX―4(52、56、60度)▼パター=スコッティキャメロン・ニューポート2 プロトタイプ(ピン型)▼ボール=スリクソン・ZスターXV

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