IOC・バッハ会長、終始“責任回避” 中国製ワクチン発言「各国が定めた方針に従うのが原則」

[ 2021年3月14日 05:30 ]

IOCのバッハ会長(AP)
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 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が12日、3日間のIOC総会を終えて会見し、東京五輪・パラリンピック出場選手の新型コロナウイルスワクチン接種に関して“責任回避”に終始した。

 バッハ会長は11日、中国からワクチンを購入して東京大会の参加者に提供すると突然発表。日本では中国製ワクチンは未承認で、IOCは各国から殺到した問い合わせに「保健当局が承認した国だけに適用される」と補足説明した。

 事前に日本側に伝達せず一方的に発表したバッハ会長は「どこの製造かは関係ない。重要なのは有効か、副反応がないかだけ」と購入は正しい判断と主張。

 一方、ワクチンの接種が遅れている日本で、選手団が未接種のまま東京大会に出場する可能性については「各国が定めた指針や規則に従うことがIOCの原則。接種も義務付けていない」と原則論を持ち出してかわし、選手の接種を優先させるかの判断も「(各国)政府の責任。IOCは干渉しない」との立場を強調した。

 22年北京冬季五輪を控える中国の人権問題については「IOCは国連やG7もできない問題を解決する“超世界政府”ではない」と対応には限界があると主張。スポンサー企業を抱える中国への配慮がのぞく一方、微妙な問題には中立を強調する姿勢が目立った。

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2021年3月14日のニュース