堀江が“TJ劇場”を破壊!パナソニックが全勝対決制す

[ 2021年3月14日 19:55 ]

ラグビートップリーグ第4節   パナソニック26―13NTTドコモ ( 2021年3月14日    大阪・ヤンマーフィールド長居 )

<NTTドコモ・パナソニック>後半、敵陣でスクラムを組むパナソニック
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 ホワイトカンファレンス全勝同士の直接対決は、パナソニックがNTTドコモを26―13で下し、開幕からの連勝を4に伸ばし、首位をキープした。NTTドコモは今季初黒星で3勝1敗となった。

 現行では最後のシーズンとなるトップリーグで“台風の目”となっているNTTドコモのフィジカルバトルに手を焼きながらも、最後はダブルスコアの完勝に持ち込んだパナソニック。ちまたで「TJ劇場」と称賛されるニュージーランド代表SH、TJ・ペレナラの巧みなゲーム運びにも苦戦したが、フッカー坂手淳史主将は「ディフェンスが多いタフな試合になったが、そこは僕たちが望んでいる土俵。焦りはなかった」と胸を張った。

 風上の前半はボール保持率が下回り、自陣でのディフェンス時間が長かった。それでも相手のトライを1つに抑えるなど、伝統の堅いディフェンスと規律の高さを発揮。相手のヨハン・アッカーマン・ヘッドコーチに「向こうは堅いディフェンスでしのぎ、ミスを誘うチームなので、うまくやられてしまった」と舌を巻かせた。

 10―7で折り返した後半も、同10分にPGを許して同点とされる苦しい状況。その流れにくさびを打ち、主導権を引き寄せたのが直後に投入されたフッカー堀江翔太だ。前半もベンチから大声で味方に指示を送り続けたW杯3大会連続出場のベテランは、「相手がどうしているかをベンチで見極め、出場したらディフェンスで指示を送る用意をしていた」という。ペレナラが左右交互に攻める傾向を見抜き、一方だけに人数が固まらないように指示。2PGは許したものの、後半をノートライに封じた立役者となった。

 プレー休止中は常に笑顔を見せ、言葉巧みに話しかけ、時にオーバーリアクションや“演技”で主審をも味方に付けるペレナラにも対抗した。前半34分のトライ直前のペナルティーではタッチキックを指示する仕草を見せ、シミュレーション気味の演技でペナルティーも誘発した相手SHを「口が達者。上手な選手」と称賛する一方、「そこを抑えるために言った」。自身も誰よりも大きな声で相手の反則を指摘するようなコールで主審にプレッシャーを掛け、見事に五分のジャッジへと引き戻した。

 前半の10得点に対し、後半は16得点。開幕4連勝のパナソニックは、これで4試合連続で後半のスコアが前半のスコアを上回っている。NTTドコモのローレンス・エラスマス主将が「後半は向こうに経験値があった」と舌を巻く試合巧者ぶりが、過去4度のリーグ王者に輝いたチームの強みだ。ロビー・ディーンズ監督も「いいパフォーマンスは全選手の仕事によって生まれる。先発の選手は自分たちの仕事をやり続け、後半に出てきた選手がパフォーマンスを発揮できている」と23人全員を称えた。

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