稲見萌寧が首位浮上!「黄金」でも「ミレニアム」でもない「谷間の世代」が3勝王手

[ 2021年3月14日 05:30 ]

女子ゴルフツアー明治安田生命レディース第2日 ( 2021年3月13日    高知県土佐CC=6228ヤード、パー72 )

2日目、首位に立った稲見萌寧は9番でバーディーを決めガッツポーズ(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に1打差の3位から出た稲見萌寧(21=都築電気)が強風の中、この日のベストスコア66を叩き出し、通算10アンダーの首位に浮上。昨年10月のスタンレー・レディースに続くツアー3勝目に王手をかけた。3打差の2位に永井花奈(23=デンソー)。首位に3打差の10位から出た渋野日向子(22=サントリー)は76とスコアを崩し、通算2オーバーの38位に後退した。

 最終18番。ラインの読み違いから2メートルのバーディーパットをカップの左に外した稲見はプーッと頬を膨らませた。だが、これもご愛嬌(あいきょう)。最大瞬間風速18メートルの強風が吹き荒れた土佐CC。稲見は別次元のゴルフを展開した。

 「風が強くて、いろんな方向から回っていて、大変でしたけど、80点くらいはあげてもいいのかな」。出だしの1番から19年パーオン率1位(78・2079)のショット力を発揮。強烈な向かい風の中、108ヤードの第2打を9Iで低く抑えてピン左手前1メートルにピタリ。幸先良くバーディーを奪うと、その後も6バーディーを重ね、一気に首位をさらった。

 今オフはボクササイズなどのトレーニングで下半身を強化。これにより持ち球のフェードがよりストレートに近くなり、コントロール性が増した。

 昨年8月には自身初の海外メジャー、全英女子オープンに挑戦したが、風速20メートルという台風並みの強風になすすべなく123位で予選落ち。しかし、その約1カ月後には台風の影響により36ホールに短縮されたスタンレー・レディースを制覇。転んでもただでは起きない成長力も稲見の武器だ。

 99年度生まれの谷間の世代。黄金世代とミレニアム世代に挟まれ、注目度は低かったが、プロツアー本格参戦1年目から3年連続で勝ち星を重ねた選手は黄金世代にも世界ランキング7位・畑岡だけ。19年センチュリー21レディースでの初Vから3年連続の優勝が懸かる最終日。「緊張しないし、プレッシャーはあった方がいいので」。谷間の世代で一人、黄金に勝るダイヤモンドの輝きを目指す。

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年(平11)7月29日生まれ、東京都出身の21歳。9歳でゴルフを始める。18年プロテスト合格。19年センチュリー21レディースでプロ初優勝。昨年スタンレー・レディースで2勝目。日本ウェルネススポーツ大在学中。1メートル66、58キロ。血液型A。

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