荒磯親方が春場所を占う 横綱・白鵬、復活Vへいきなり正念場 初日の相手は初場所V大栄翔

[ 2021年3月14日 07:00 ]

横綱・白鵬
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 大相撲春場所は14日に東京・両国国技館で初日を迎える。初日、2日目の対戦が13日に日本相撲協会から発表され、幕内連続在位が100場所目となる白鵬(36=宮城野部屋)は初日に初場所優勝の大栄翔(27=追手風)、2日目は宝富士(34=伊勢ケ浜)と対戦。関脇・照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の大関復帰が懸かるなど話題豊富な場所を、本紙評論家の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が展望する。

 初日の結びから大一番が組まれました。横綱は小結と当たるのが慣例ですが、審判部もさすがです。3人の中から大栄翔を白鵬にぶつけました。

 白鵬も出てきた以上は優勝争いの中心です。ただし、自分の経験もそうですが、久々の土俵は感覚面などで難しいものがあります。対峙(たいじ)するのが先場所優勝力士で、前回(20年7月場所)の対戦で敗れている相手。しかも四つ相撲ではなく突き押しというのも、やりにくさを感じているはずです。休んでいる間に大栄翔も成長しているので、いつも以上に集中力が求められます。

 白鵬は前半を無難に切り抜け全勝で折り返すのが「Vパターン」。序盤の5日間が場所を占う重要なバロメーターになります。注目しているのは立ち合い。上り調子の相手の当たりをどう受け止めるか。左右どちらで張って、どう差すか。それともかち上げていくか。その選択も勝敗を分けるポイントです。「鬼門」を突破すれば1年ぶりの賜杯に視界良好。それは大栄翔にも当てはまります。

 大関復帰を懸ける照ノ富士も初日から難敵です。突き押しの北勝富士。組み止めれば勝機十分でも、頭を相手の顎の下に入れてしぶとく攻める取り口は厄介です。照ノ富士は左前まわしの取り方など最近は「うまさ」も備わっている。15日間無事に乗り切れれば、昇進ノルマの33勝到達は問題ないでしょう。

 カド番の大関・貴景勝は17キロの減量がどうでるか。私も10キロ落として出た時は思うように動けず反省したことを覚えています。脂肪だけ落とせば問題ないが、筋肉も落ちていないだろうか。地に足をつけた重厚な攻めが取り戻せないと不安も出てきます。同部屋の隆の勝は腰の決まり方がよく力をつけている印象。その成長ぶりに白鵬も驚くかもしれません。(元横綱・稀勢の里)

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